フランス(正式名称 : フランス共和国、フランス語:République française)は西ヨーロッパの国家です。首都はパリで、本土の北でルクセンブルク、ベルギー、ドイツと接し、東部にはスイス、南部にはイタリア、アンドラ、スペインと接しています。また、南部でモナコを囲んでいます。
フランスは長年、世界で最も訪問者の多い国の座についています。2022年には8000万人がフランスを訪れました。フランスの都市圏にはユーラシアで最も素晴らしい宝物があり、田園地帯は豊かですが手入れも行き届いており、ヨーロッパで最も人気のあるディズニーランド・パリ(DLP)を含む数多の主要な観光名所があります。フランスはヨーロッパの中でも最大級に多様な地理を有しており、都会的でかっこいいパリ、太陽の光が降り注ぐ輝く海岸コート・ダジュール、風吹きすさぶ大西洋のビーチ、フランスのアルプスにある雪深いリゾート地、ロワール渓谷のルネサンス様式の城、急峻極めしケルトのブルターニュ、歴史家の夢ノルマンディーなど、各地域が180度変わった多彩な顔を持っています。
豊かな情緒、激動する政治、合理的な思考、啓蒙思想の宝庫—あなたが休暇に求めるものは何であろうと、この国フランスでそれは必ず見つかるはずです。
地域
[編集]本来ここに記されているのは地域圏であり、ガイド名も行政上の名前に忠実にすると「~~地域圏」となりますが、ここでは観光上わかりやすい等の理由から、「~~地方」とします。
オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方(Auvergne-Rhône-Alpes) 中央高地の一部から、美食の町リヨン、多くのスキー場があるアルプス地方までを含みます。 |
ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地方(Bourgogne-Franche-Comté) 美しい自然の風景とワイン。 |
ブルターニュ地方(Bretagne) 巨石建造物、ケルト文化、クレープやガレットやシードルで人気です。 |
サントル=ヴァル・ド・ロワール地方(Centre-Val de Loire) ロワール川沿いに城が点在するのどかな農村地帯。 |
コルシカ島(Corse) ナポレオンの出生地として知られる、イタリアの影響の強い地中海に浮かぶ島。 |
グラン・テスト地方(Grand Est) ドイツを始めとした東の国々からの影響を受け独特の文化をはぐくむ地域。 |
オー=ド=フランス地方(Hauts-de-France) 重工業の興隆と衰退が今も爪痕を残している地域。 |
イル=ド=フランス地方(Île-de-France) パリとその周囲の人口が多い地域。 |
ノルマンディー地方(Normandie) イギリス海峡に面し、モン・サン=ミシェルを含む農村地域。シードルやカマンベールも有名です。 |
ヌーヴェル=アキテーヌ地方(Nouvelle-Aquitaine) ガロンヌ川を挟み、ワインで有名なボルドーや北側のコニャックを含む広大な農村地域です。 |
オクシタニー地方(Occitanie) ピレネー山脈と地中海に面し、かつてオック語を話したこの地域は独特の文化を持っています。 |
ペイ・ド・ラ・ロワール地方(Pays de la Loire) ロワール河が作る峡谷の下流に位置する農村地帯です。 |
プロヴァンス=アルプ=コート=ダジュール地方(Provence-Alpes-Côte d'Azur) 地中海沿いの高級避暑地、歴史のある港町マルセイユ、かつて教皇庁のあったアヴィニョン、内陸部に点在する美しい村々、塩湖に住むフラミンゴが有名なカマルグなどを含みます。 |
海外の県と領土
[編集]しばしば六角形とも呼ばれるヨーロッパにおけるフランスの領土(France métropolitaine)とは別に、5つの海外県(départements d'outre-mer - DOM)があります。南アメリカのフランス領ギアナ、カリブ海に位置するグアドループとマルチニック、東アフリカ諸島のマヨットとレユニオンです。
これらに加え、フランスは6つの海外領土(territoires d'outre mer - TOM)— フランス領ポリネシア, ニューカレドニア, サン・バルテルミー, サン・マルタン, サン・ピエール=ミクロン, ワリス=フツナ — と、クリパートン島やフランス領南方・南極地域のような無人島を持っています。行政的にはこれらはフランスの一部ですが、ここではこれ以上言及せず、それぞれの記事において触れることとします。
これら多くの海外県と領土のため、フランスは12の時間帯に拡がっています。ヨーロッパにおけるフランスは中央ヨーロッパ時間(冬は UTC+01:00、夏は UTC+02:00)を使用しています。
都市
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夕暮れ時のナントの川岸
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パリのエッフェル塔とセーヌ川
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マルセイユ大聖堂
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ストラズブールとアルザス地方の特徴的な建物
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リヨンのベルクール広場
- 1 パリ - フランスの首都であり、芸術の都とも呼ばれます。
- 2 ボルドー - ガロンヌ川に面したこの港町はボルドー・ワインで世界的に有名です。
- 3 リヨン - フランスで3番目に大きなこの都市は美食の街として有名です。
- 4 マルセイユ - フランスで2番目に大きなこの都市はその港や石鹸、カランク(リアス式海岸)で有名です。そのプロヴァンス地方の文化と国際的な雰囲気が両立しています。
- 5 モンペリエ - 地中海に面するこの街はそのオペラ座、庭園、大学で知られますが、最近は現代建築にも力を入れています。
- 6 ナント - ロワール川の河口に位置し、かつて三角貿易で栄えた大西洋への玄関口。
- 7 ニース - コート・ダジュールの中心都市です。海岸に沿った散歩道プロムナード・デ・ザングレ(la promenade des Anglais)が有名です。
- 8 ストラズブール - アルザス地方の中心でありEUの施設を抱えています。フランスとドイツの文化的融合が見られます。
- 9 トゥールーズ - 建物に使われる暖色系のレンガから「バラ色の街」とも呼ばれ、カスレなどフランス南西部の料理の本場です。
知る
[編集]「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。
It is only with the heart that one can see rightly; What is essential is invisible to the eye.」 |
—サン=テグジュペリ「星の王子様」より、訳は内藤濯による |
フランス | |
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フランスの旗 | |
人口 | 68,373,433人 |
面積 | 643,801 平方キロメートル |
言語 | フランス語 |
通貨 | ユーロ |
電気のプラグ | ユーロプラグ, タイプE |
国際電話番号 | +33 |
時間帯 | UTC+1 |
緊急電話番号 | 112番 15番(救急隊) 17番(警察) 18番(消防本部) 114番(ろう社会) |
車両の通行側 | 右 |
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フランスの国旗
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フランスの国章に準じる紋章
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フランスの海外の県と領土(クリックで拡大)
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フランスの位置
歴史
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読み物
フランス旅行の前に、事前準備として本を読んでみませんか?Polly Plattの『French or Foe』やSarah Turnbullの『Almost French』がオススメです。パリのロマンスに興味がある人は、『Sensual Paris』もお勧めできます。 |
フランスは新石器時代から人が住んでおり、ドルドーニュ地方には特に先史時代の洞窟が多く、その中には住宅地である物もあればまた動物や狩りの驚くべき壁画の書かれた神殿もあります。
ローマ帝国の栄枯盛衰
[編集]フランスにおいて、文字を伴った歴史の始まりはおそらく紀元前118年~50年の間のローマによる侵攻の後でしょう。現在のフランスの国域はローマ帝国に属すこととなり、ローマの侵略以前に住まわっていたガリア人は文化的な意味で「ガロ・ローマ人」となりました(現在でもこの呼称は地域名などに使われています)。ガリア人の居住区域はイタリア北部にもつながっており、「ガリア・キサルピナ」はガリア人支配域の中で最も早くローマ支配域の中に組み込まれた地域です。その後プロヴァンス地方がローマの支配域下となり、名称はアルプス越えのガリアという意味である「ガリア・トランスアルピナ」(ラテン語:Gallia Transalpina)となります。ユリウス・シーザー(カエサル)がこの地域の知事となり、ガリア部族の政治は彼が操りました。知事が独断で戦争に出ることが許されなかった当時、ユリウスは防衛戦争という目的でガリアの地域を征服し、ガリア反乱軍のリーダーであるウェルキンゲトリクス(Wikipedia | Vercingétorix)をアレシアの戦い(Wikipedia)で破って捕らえ、ここにローマ帝国によるガリア完全征服が完遂しました。今日、『ガリア戦記』として非常に著名であるこのプロパガンダの記録は、簡潔明瞭な表現で記されているとともに歴史人物が自らについて自述したあまり見られない例でもあるため、それ以来の時代を超えたラテン語学者の悩みと化しています。カエサルはこの自叙伝の中で自分のことを3人称で語っていますが、フランスコミックのアステリックス(Astérix)ではこれについてほとんど述べられていません。このノベルはあくまでもジョークとしてこれを採用しており、文化的な部分はないのです。カエサルの行動はローマの法律から見ても合法性に疑問が生じ、有名なルビコーネ川の渡河も軍隊を持たずしてイタリアに入ることは危険だと考えられるようになり、その後のローマ共和国の崩壊の引き金ともなるのです。
鬨のローマ皇帝クラウディウスは、この当時ガロ・ローマ地域において最も重要であった都市、ルグドゥノム(Lugdunum)つまり現在のリヨンで生まれました。ローマのガリア支配は緩やかであり、比較的平和ではありましたが、3世紀にこの地方の知事の座を簒奪する動きがみられ、中央統制がまだしっかりと機能していなかった時代にガリア帝国を建国しました。この時代のローマ人の建築は多くが残っており、その道路は中世に作られた者よりも品質がいいともされていて現在でも利用されています。
5世紀になり西ローマ帝国が滅亡すると、ガロ・ローマ人と東から流れ込んできた多種民族が混ざり、その末裔が住む土地となりました。
ローマの遺跡は現在でも保存状態良きまま残されており、特に南部においてはローマの競技場などが現在もイベントの実施会場に利用されており、フランスの主要道路もローマの時代に作られたものがもととなっています。古くからある街の中心部にはローマ軍のキャンプの典型ともいえるカルド・エ・マクシムス(Cardo et Decumanus)が残っており、他にもローマはカトリック教会や法典、フランス語などの現代に通じる大きなものを多数残しています。
中世
[編集]511年、クローヴィス1世が死にます。彼は最初のフランス王と考えられていますが、彼のフランク王国はイル・ド・フランスやパリまでは広がっていませんでした。しかし、当時ゲルマン民族がアリウス派が多かったのに対して彼はキリスト教の洗礼を行い、これはその後のヨーロッパ史に大きな影響をもたらすものとなりました。800年、西ローマ帝国の皇帝となったシャルルマーニュ(カール大帝として知られます)は、初の強力な支配者となりました。彼はフランスのみならずベルギー、ドイツ、イタリアの一部など広大な領土をその支配下としました。エクスラシャペル(現在のドイツアーヘン)は彼の主要な居城として取り上げられますが、彼は多くの時期は移動を続けており、「鞍上統治」をしていたために彼の居所・首都としてはさらにいくつかの場所が挙げられます。
この時代、フランスは北からのバイキングの侵入に脅かされており、彼らは川をさかのぼって修道院や教会を襲いました。また、南部スペインに定着していたムスリムのセラセン人も北上し、攻撃してきました。バイキングは911年に現在のノルマンディー地方を与えられ、土着の度民に農奴制を敷きました。732年にはカール大帝の父であり後に国民的英雄となるカール・マルテル(フランス語ではシャルル・マルテルです)がポワチエでサラセン人を食い止めました。
カーン大帝の時代を皮切りに、封建制度に基づいた新しい社会が確立されていきました。一般的には停滞の時代と言われますが、経済・文化の面において発展があり、トルバドゥールの音楽やトルヴェール(吟遊詩人)の詩、ロマネスク様式やゴシック様式の草創的な大聖堂の建築などです。不況の時代と呼ばれる所以はその後の伝染病や戦争の時代を指すのが適切でしょう。
987年にはユーグ・カペーがフランス国王となり、フランス王国の王家の先祖となります。実際にフランス革命においてルイ16世が通称を決めることを迫られた際、ユーグにちなんでルイ・カペーと名乗っています。1154年にはアリエノール・ダキテーヌ女公とイギリス王ヘンリ2世の結婚によってフランスの西側大部分がイギリスの影響下に置かれます。プランタジネット朝の王は現在もフランスに埋葬されていますが、もっとも有名なのは「ライオンハート」と呼ばれるリチャード1世及びその父ヘンリ2世で、フォンテヴロー寺院に埋葬されています。1337年から1445年にかけてはイギリス王とフランス王が争い百年戦争と言われ、この戦争においてもっとも有名なのは今日においてフランスの国民的英雄となっているジャンヌ・ダルクでしょう。彼女はイギリス軍を打ち破りました、が、のち捕われ火あぶりの刑に処せられました。
気候
[編集]フランスはヨーロッパの中でも国土が広い国で、気候も国内で様々な種類があります。一般的には南北方向に移動することで涼しい地域からだんだんと暖かくなり、東西方向に移動することで乾燥した気候から湿った気候へと移り変わります。パリやロワール渓谷では冬も夏も温暖で夏は湿度が高く、ブルターニュやノルマンディー、オー=ド=フランス地方では比較的穏やかで湿潤な冬と温暖で蒸す夏があり、イギリスの南部の気候に類似しています。グラン・テスト地方では寒い冬と暑い夏を持っており大陸性気候に分類されます。ローヌ渓谷はこれより南の温暖な地域へと向かいますが、ミストラルと呼ばれる乾燥していて冷たい地方風がこの地域全体を北西から吹いていくことを忘れてはなりません。オクシタニー地方やプロヴァンス=アルプ=コート=ダジュール地方、コルシカ島などの地中海沿岸地域では短い冬は温暖で長い夏は暑く、比較的日照時間が短い地域として認識されています。オクシタニーの一部とヌーヴェル=アキテーヌ地方などの南西部は夏が暑いのは地中海沿岸と変わりませんが大西洋と山があるために冬は雨が多くなります。アルプス山脈やピレネー山脈・中央山塊などのあるオーヴェルニュ(旧地域圏)などの山岳地帯はもちろん雪が多く、冬はとても寒いです。ただ、たまに暖かい冬の日が訪れることがあり、冬スポーツのブームにのって商売をしているオーナーは希望に満ちたまなざしで空を見上げることでしょう。
フランスの中部・西部・北部のだいたいは平坦な平野あるいはなだらかな丘陵によって構成されており、多くの長距離河川が大きな渓谷を形作っています。この広大な土地と素晴らしくこの地方にいる者に喜ばれる気候がフランスの農業を豊かで実りあるものにしていると言えます。一方で国土の中でも多くの部分を占める南東のアルプス山脈と南西のピレネー山脈は西ヨーロッパでもっとも高い山脈の一つで、ヴォージュ山脈やジュラ山脈といった東部の小山脈や中央山塊などの中南部のそれなど、小規模な山脈も乱立しています。テロワールという概念はフランスのワイン生産者や農家にとって非常に重要な意味を持つものであり、この特定の生育地における地理・地勢・気候の組み合わせによって作物・品物は様々な影響を受けます。
フランスは一年中どの季節にも訪れることができ、冬のアルプスや春のパリなどの特定の季節での訪問が目的でないのであれば春と秋がおすすめです。この2つの季節では国中のほとんどの地域の気候が安定しており、理想的な観光をできます。また、夏は全国的に温暖になり、晴天の下で屋外コンサートやお祭り、7月14日の休日など観光者にとって非常に重要なポイントが多くあります。この夏が抱えるデメリットとしては最たるものに混雑が挙げられ、特に8月はフランス人のほとんどがバカンスをするために観光地は非常に混雑するでしょう。交通は非常に渋滞し、samedi noir(ブラックサタデー)には長いと1000km以上も渋滞が続く可能性が十分にあります。地方ではローカルのお店が1か月間休業することも珍しくなく、パリでは宿泊料金が高騰します。
休日
[編集]フランスでは、アルザス地方の聖なる金曜日を除いてはカトリックの祝祭日を受け継いでいます。そのほとんどが年によって日にちが異なります。その中でも特に復活祭(Pâques)は、日曜日と月曜日に銀行まで祝日となります。日にちが固定のものとしては、聖母の被昇天(Assomption)が8月15日、諸聖人の日(Toussaint)が11月1日、クリスマス(Noël)が12月25日となります。そのほか新年(Jour de l'an)は1月1日、レイバー・デー(Fête du Travail)が5月1日、ヨーロッパ戦勝記念日(8 mai)が5月8日、パリ祭(Fête nationale)は7月14日、休戦記念日(Jour de l'Armistice)は11月11日となっております。スペインやドイツなどの諸国と同様、フランスにも祝祭日や成人の日がある物の、フランスの政府や企業は通常これらを守りません。
10月下旬から11月上旬、クリスマス / 復活祭 / メーデー / ヨーロッパ戦勝記念日の間は2週間学校が休みになるため、計画は早めにたてることをお勧めします。さらには7月の第1金曜日から全国的に学校が夏休みに入り、9月の第1月曜日に帰ってきます。当然ながらこの前後は道路が非常に混雑し、鉄道や飛行機などの移動手段の料金も非常に高騰します。そのため、この時期に異動をするのは得策とは言えません。
基礎データ
[編集]話す
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フランスで使われるほかの言語
アルザス地方やロレーヌ地方の一部では、アルザス語と呼ばれるドイツ語の方言の様な言語が話されており、これは標準ドイツ語話者にはほとんど理解ができません。ブルターニュ地方西部では、ケルト語派のブルトン語が話されており、これはウェールズ語の親戚にあたります。南部では大部分でオック語を話す人々が見られます(「はい」を表す言葉がòcであるため、古くはラングドック langue d'Oc と呼ばれ、この名前は現在も地方の名前として根付いています)。方言は様々あり、オーヴェルニュ語やガスコーニュ語、ラングドック語やリムーザン語にプロヴァンス語など様々です。オック語はロマンス語の一種であり、カタルーニャ語や近くのイタリア語の方言に非常に近い言語です。ピレネー=アトランティック県の一部ではバスク語も話されていますが、スペイン側程の頻度ではありません。コルシカ島ではコルシカ語が話されています。これもまたイタリア語の影響を強く受けている言語です。 これ等の言語はみな衰退の一途をたどっており、多くの場所で高齢者か学者が話すにとどまっています。また、フランス語の地方方言はパトワ(Patis)と呼ばれ、上記の言語よりは一般的である者のこちらも衰退の道を歩んでいます。訛りに敏感な人であれば、地方を旅している時に標準語との発音の違いなどを聞き取ることができるかもしれません。 ともかくも、フランスでは全国的にフランス語の標準語が浸透しているのでこれが話せれば問題はありませんが、地元文化と伝統の理解促進のために、そしてそれを理解していることを示すために、基本的なフレーズや挨拶を覚えていてもいいでしょう。 |
皆さんもご存じかも知れませんが、フランスの公用語はフランス語(フランス語 : français)です。フランス人は自分たちのこの言語にアイデンティティを持っており、話す努力をしなければこの国のアイデンティティと文化を見逃してしまうこととなります。多くの人は、この言語を世界で最も美しい言語ととらえているのです。
次のような一般的なフレーズは便利です :
- Excusez-moi, Monsieur/Madame - 失礼します、旦那様/マダム(ehk-SKEW-zay MWAH muh-SYUH/ma-DAHM)
- S'il vous plaît - ~してください お願いします(seel voo PLEH)
- Merci - ありがとう(merr-SEE)
- Au revoir - さようなら(oh ruh-VWAHR)
- Parlez-vous anglais / japonais ? - 英語 / 日本語は話せますか?(par-lay VOO ahng-LEH / japo-NEH)
フランスは世界各国の旧フランス植民地をはじめとしたさまざまな土地からの移民により、多民族社会となっているため、アフリカの言語やアラビア語、潮州語などの中国語の方言、ベトナム語、ラオス語、クメール語など多種多様な言語が話されています。フランス語はロマンス諸語に属すため、同じロマンス語系統のスペイン語やポルトガル語、カタロニア語、イタリア語、ルーマニア語などを知る人からすると書き言葉などで同義語を認識することが可能です。
1900年以降に生まれた人を含め、多くのフランス人は英語を教育されていますが、歴史的な観点から言えばその習得度は低く、会話できる人は少数にすぎません。しかし、2000年代後半になり、その状況は大きく変わりました。主要ホテルや観光地においては英語と近隣の外国語(ドイツ語やスペイン語が主要)を話すスタッフが多くなり、若い世代のフランス人は非常に英語が達者です(特に大都市圏)。
現地の人々に話しかけるときは、必ずフランス語を用いるようにしましょう。フランス人は、彼らの言語が外国人にとって難しいものであることを理解していますが、不器用であったとしても誠実に話そうと努力している姿が認められれば彼らは好意的に反応してくれるでしょう。私たちが努力することで彼らもまた自分の知っている単語を最大限に使ってコミュニケーションをはかろうとしてくれます。どんなに短い会話であったとしても、昼はbonjourを、夜はbonsoirを言わなくてはなりません。これをしないということは、日本語での「お願いします」「ありがとう」などの言葉を言わないことに等しいのです。
海外の映画や番組は通常大きく分けて2つのタイプで提供されます。VF(version française)ではフランス語で吹き替えられており、VO(version originale)あるいはVOSTFR(version originale sous-titrée en français)は元のオリジナル音声にフランス語で字幕が付きます。
標準的な手話としてはフランス手話が挙げられ、ネイティブイニシャルであるLSF(langue des signes française)で知られています。公共の場で通訳が入る場合には必ずこのLSFが用いられます。アメリカ手話やケベック手話、アイルランド手話などと相互的な理解が一部可能です。イギリス手話、オーストラリア手話、ニュージーランド手話との相互理解は不可能です。
着く
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渡航書類の有効期限
EU・EEA・スイス・そしてビザが免除される他の国(ニュージーランド、オーストラリアなど)は、滞在期間中の有効パスポートを提示すれば問題ありません。 ただし、ビザを必要とする他の国(南アフリカなど)は、シェンゲン圏のビザを取得するために、フランスでの滞在期間を超え最低3ヶ月間有効のパスポートを所持している必要があります。 #ビザや渡航認証も参照 |
飛行機で
[編集]日本からフランスへ行くには飛行機が一般的です。
- 1 シャルル・ド・ゴール空港 (aéroport Paris-Charles-de-Gaulle, CDGIATA、フランス語 : Aéroport de Paris-Charles-de-Gaulle, IATA:CDG)、フランスイル=ド=フランス地域圏パリ県パリ (シャトレ・レ・アル駅より約30分RER B線を使用してシャルル・ド・ゴール空港第1駅で下車。第二棟へはシャルル・ド・ゴール空港第2TGV駅で下車。) 。 コンタクト((英語))。日本航空の羽田空港発着の便が第二棟ターミナルEより発着しています。第一棟からは全日本空輸が同じく羽田空港と結んでいます。 追加情報:おむつ交換台。
- 2 オルリー空港 (aéroport de Paris-Orly, ORYIATA、フランス語 : Aéroport de Paris-Orly, IATA:ORY)、フランスイル=ド=フランス地域圏エソンヌ県・ヴァル=ド=マルヌ県 (RER B線のアントニー駅からORLYVALバスに乗って約8分(9.30ユーロ)。パリからB線で来る場合Saint-Rémy-lès-Chevreuse方面行に乗るとアントニー駅に着く。パリからの所要時間は約25分。Orlybusを利用する場合パリ市内の「Denfert-Rochereau」駅から約15分。) 。 昔はAOMフランス航空から成田空港までの便が出ていましたが、現在は日本とオルリー空港を結ぶ便はありません。
- 3 サン=テグジュペリ国際空港 (aéroport Lyon-Saint-Exupéry, LYSIATA、フランス語 : Saint-Exupéry International Airport, IATA:LYS)、フランスオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地方メトロポール・ド・リヨンリヨンColombier-Saugnieu, 69125。電話番号:+33426007007 。 ニースやパリなどへのアクセスに便利。もちろんリヨン観光にもとても便利です。第1ターミナルはヨーロッパからの着港が多く、第2ターミナルもヨーロッパからの着港がメインですが西アジアからの便もついています。第3ターミナルはイギリスのイージージェットとモロッコのエア・アラビア・モロッコのみが就航しています。
- 4 コート・ダジュール空港 (aéroport de Nice-Côte d'Azur, NCEIATA、フランス語 : Aéroport Côte d'Azur, IATA:NCE)、フランスプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏アルプ=マリティーム県ニースRue Costes et Bellonte, 06206。電話番号:+33820423333 。 基本的にヨーロッパからの着港が多いです。
ビザや渡航認証
[編集]入国にはシェンゲンビザやフランスのETIASが必要になります。
移動する
[編集]観る
[編集]- ヴェルサイユ宮殿
- ルーヴル美術館
- エッフェル塔
- ノートルダム大聖堂
- オテル・デ・ザンヴァリッド(通称廃兵院)
- オペラ・ガルニエ
- シャンボール城
- オルセー美術館
- ディズニーランド・パリ
- エトワール凱旋門
食べる
[編集]高級レストランとして世界的に名高いフランス料理は、美味しいと聞いて驚く人は少ないほどその味は知られています。その証拠にフランスは、日本と並んでミシュランの星付きレストランが最も多い国です。フランス料理自体、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。しかし、観光客向けのレストランでは、ごく一般的な料理を出すところも多く、中にはぼったくりもあります。そのため、フランス人が通うようなレストランを見つけることが非常に重要になります。地元の人やホテルのスタッフに尋ねてみたり、レストランガイドやフランス人のブログを見てお勧めのレストランを探すのも良いでしょう。難点は、観光地以外で英語を話すウェイターがいるレストランはまずないので、フランス語を話すことを覚悟しなければなりません。
ミシュランの三ツ星レストランからブラッスリー(酒と食事を提供する店)やビストロ(比較的安価な店)まで、フランス料理を味わえるレストランはたくさんあります。一般的に、思い出に残るような食事を得るためには、やはり地元の人の情報は欠かせません。ほとんどの小さな都市や村には地元料理のレストランがあり、信頼できるガイドブックに掲載されている場所もあります。実際、多くの高級レストランは大都市よりもむしろ田舎の村にあり、フランス人は特別な日の食事にはそうした村まで車を走らせることが多いです。大都市の中でも、フランス人はパリにはあまり高級で上質な食事のイメージを抱かず、主にリヨンがその印象に最も当てはまります。リヨンのブション・リヨネ(フランス語 : bouchons lyonnais)、ブルターニュとパリ・モンパルナス地区のクレープ屋、北部のバラック・ア・フリット(フランス語 : baraques à frites)など、ローカルのレストランもあります。フライドポテトはフリット・フラマンド(フランス語 : frites flamandes、フラマンドのフライドポテト)と呼ばれる北部の方がとても美味しいものが多いです。伝統的なフライドポテトは、新鮮なジャガイモを切り出し、2度揚げして、外はカリカリ、中はフワフワに仕上げます。
中国料理、ベトナム料理、カンボジア料理、タイ料理には、パリでは普通のレストランやファストフードとして簡単にありつけます。一方でフランスの小都市ではあまり見かけませんし、値段も高くなります。イタリアンは、より多くの場所にありますが、ピザやパスタの店にすぎません。他にもモロッコ料理、アルジェリア料理、チュニジア料理、ギリシャ料理、レバノン料理もあります。どこにでもあるハンバーガー屋も、アメリカのオリジナルからフランス風アレンジまであります。
フランスでは、税金(レストランでは合計金額の7%)とサービス料(通常は10%)は常に請求書に含まれています。表示価格に上乗せされることはないはずなので、そのような場合には遠慮なく質問してください。フランス人はサービスに満足した場合、チップとしてコインを1枚か2枚残すのが普通ですが、強制ではありません。パンと水道水は常に無料で、料理に追加料金が付加されることはありません。
定価のメニューに飲み物も含まれていることはほとんどありません。水が欲しいなら、ウェイターへ頼めばいいのですが、多くの場合ミネラルウォーターや発泡水を割高で売りつけようとしてきます。また、水を頼んだとして氷入りでないこともあります。
他の国と同様に、レストランは飲み物で大きな利益を得ようとする傾向があります。ワインはスーパーで買うよりもずっと高いと思ってください。
注文は定価メニュー(menu fixe)かアラカルト(à la carte)のどちらかになります。一般的な定価メニューは以下の通りです:
- 前菜—アントレ(entrées)やオードブル(hors d'œuvres)
- 主菜―プラ(plat)
- デザートまたはチーズ
レストランによっては3つのコースのうち2つだけを安く食べられるという選択肢がある場合もあります。
コーヒーは常に最後に提供されますが、その後に酒類が続くこともあります。コーヒーは特にリクエストがない限り、常にブラックが提供されます。カフェオレ(café au lait)を頼むこともできます。食事中のコーヒーをリクエストすることは奇妙に思われます。
出かける
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