ルワンダは、東アフリカでも政情が比較的、安定した国で、周辺国のケニヤやウガンダからアクセスもよいです。国内の移動手段もわりあいにわかりやすく利用が簡単で、ほぼ安全。ただし、コンゴ国境方面は警戒が必要(後述)。
「千の丘の国」と呼ばれるばかりか動植物が豊富で、起伏する丘の連なりや息をのむような緑のサバンナなど美しい景観が広がります。西ローランド・ゴリラなど希少な動物が多種くらし、鳥類や昆虫類が豊富な地域は ニュングウェ (Nyungwe)の熱帯林です。
都市
[編集]- 1 キガリ – 首都(Kigali)
- 2 ビュンバ(Byumba)
- 3 ルシジ (旧称キャングル Cyangugu) (Rusizi)
- 4 ルバブ (旧称ギセンイ Gisenyi)(Rubavu)
- 5 フエ (旧称ブタレ Butare) (Huye)
- 6 キベホ (Kibeho)
- 7 キブンゴ (Kibungo)
- 8 カロンギ (Karongi、旧称キブエ)
- 9 ムハンガ (Muhanga、旧称 ギタラマ)
- 10 ムサンゼ (Musanze、旧称ルヘンゲリ)
(都市名はルワンダの政権再編により、大幅に変わっています。旧称を示した都市は、かつての州都。地元の人たちは新旧両方の都市名を使うことがあります。)
知る
[編集]ルワンダ | |
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ルワンダの旗 | |
人口 | 13,246,394人 |
面積 | 26,338 平方キロメートル |
言語 | ルワンダ語, 英語, フランス語, スワヒリ語 |
通貨 | ルワンダ・フラン |
電気のプラグ | ユーロプラグ, SN 441011 |
国際電話番号 | +250 |
時間帯 | UTC+2 |
緊急電話番号 | 112番(警察) 912番(救急隊) |
車両の通行側 | 右 |
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ルワンダは1994年の内戦と大量虐殺から長い年月が経ちました。戦争の記憶にこだわらず、すばらしい景観が広がる国で温かく出迎えてくれる親しみやすい人たち、現代化が進む国を想像してみてください。アフリカ全域でもこの国はさまざまな分野で開発と発展が進み、「アフリカのシンガポール」と呼ばれるほど栄えはじめています。
歴史
[編集]石器時代と鉄器時代に狩猟採集生活をした人々がこの領域に定住し、後にバントゥー族が入って来ました。最初に氏族がまとまり、次にルワンダ王国に合流して18世紀半ばから支配を強めます。ツチ族の王は他国を軍事力で抑えて中央集権制度を敷きました。そのツチ人とフツ人は言語と宗教、文化を共有し、もともとは互いに社会階層の異なる相手と認識しあっていました。ところが植民地時代にヨーロッパ人が導入した、民族グループの差異という概念が定着しました。
ドイツは1884年にルワンダを植民地化するとドイツ領東アフリカ(英語版)に吸収して、その後、ベルギーが第一次世界大戦中の1916年に併合しました。ヨーロッパの両国が親ツチ政策に寄って王を支配すると、フツ人は1959年に反乱を起こしました。多数のツチ人を虐殺、1962年にフツ人が支配する国家が樹立されます。反体制のルワンダ愛国戦線(RPF=Rwandan Patriotic Front)はツチ人主導で、1990年に内戦を開くと1994年のジェノサイド(人種虐殺)で社会的緊張が高まります。フツ人の過激派はツチ人、さらに同胞のフツ人の穏健派までもむごたらしく殺し、推定50万人から100万人が落命したと推計されます。結局、RPFが軍を使い、殺戮の連鎖を絶ってジェノサイドを終わらせました。
ルワンダは暗い過去から回復し始めており、ポール・カガメ大統領の就任した2000年以来、市場志向の改革を進めて世界でも成長が最も急速な経済圏の1つとして浮上しています。しかしカガメ政権の権威主義的な傾向から、人権に対する懸念は残っています。
人々
[編集]国民の平均年齢は若く人口密度の高さはアフリカでも有数、また地方在住者が大半です。民族構成はフツ人、ツチ人、トワ人の3つです。
気候
[編集]ルワンダは高地に位置するため、ほぼ赤道直下にもかかわらず過ごしやすい気候です。w:キブ湖付近の標高1,463 mの地点は、年平均気温22.8°C(73°F)。また年平均降水量は800 mmで、雨季は2-3月と9-12月の2度あり、ほぼ毎日が豪雨です。ただしルワンダ国内でも差はあり、東部のサバンナ地域よりも西部や北西部の山地の方が降水量は多い傾向にあります。
休日
[編集]- 1月1日 - 元旦
- 2月1日 - 英雄の日
- 聖金曜日 - 年により変わる
- 4月7日 - 虐殺追悼の日
- 7月1日 - 独立記念日
- 7月4日 - 解放記念日
- 8月15日 - 聖母被昇天の祝日(カトリックの聖日)
- エイド・アル・フィトル(Eid al Fitr)、エイド・アル・アドファ(Eid al-Adha)イスラム暦の祝日、太陰暦に基づき年により変わる
- 12月25日 - クリスマス休暇
- 12月26日 - 贈り物の日(ボクシングデー)
尊敬する
[編集]ルワンダはたいへんに保守的な国で、服装を見ても身だしなみに気を遣い、女性は肌の露出を抑える傾向があります。短パンやミニスカートを履いたり体の線がはっきり出るシャツやブラウスを身に着けると、普段と違って二度見されるなど違った目で見られがちです。
人前で濃厚な愛情表現は慎むものとされ、男性同士が手をつないで歩くのは当たり前とみなされます。あるいはまた、レストランの店内を除くと、公衆の場で飲み食いをするのもマナーが悪いと考える人が多いです。路上のほかバーや店内でも、連れがいない女性はタバコを吸いません。
飲食店などほとんどの公共の場所は、一般に喫煙可能です。それでも他人のタバコの煙は嫌だと文句を言う人には出会うかもしれません。
ルワンダに国民性は、豪放磊落(ごうほうらいらく)というよりも人見知りをするし、街中で大声でどなり合うとか、感情を抑えられない人(声をあげて泣くなど)には、嫌な顔をされます。もしも店舗や露店で高い値段を請求されたと感じたら、感情に任せて声を荒らげるよりも、静かに、しかし断固として抗議して正しい値段を付けるように説得する方が、結論は早く出ます(または値段交渉が不発でも不満は伝わります。)
また年長者の顔をジロジロと見ることは、マナー違反とされます。
ルワンダの人々は、かつての人種間の殺し合いの記憶を心の傷として秘めたまま暮らしていること、それに触れてほしくないことを忘れないでください。 80万人から100万人超が落命したとされるのです。ルワンダ人との交流のときには、相手は親戚や友だちを亡くした人ばかりと考えてください。ほとんどの人は日常生活で部族の違いを乗り越えようと努力していて、 だからフツ人、ツチ人と分けずにルワンダ人と呼ぶように神経を使いましょう。もちろん、国民であろうとなかろうと、どの民族の出身か質問するのはマナー違反です。
アフリカの隣の国々で見られるような、政治的な対立は表面化していません。あるいはウガンダやケニヤのように、知り合いと政治の話を公衆の場で交わすこともあまりありませんし、どちらの政党を支持するのかなどとルワンダの人に尋ねると、とても居心地の悪い思いをさせてしまいます。たまたま同席した人たちが政治の話をし始めると、ソワソワして困った顔をすることでしょう。
着く
[編集]ビザの条件
[編集]入国にはパスポートが必要で、ワクチン接種証明書は黄熱病の流行地経由でない場合には不要です。滞在期間の上限6ヵ月は、ブルンジ、ケニヤ、南スーダン、タンザニア、ウガンダ (他言語版) 国籍がある人に適用されます。入国時にパスポートではなく身分証明書で代用できるのは、ケニヤとウガンダの国民のみ。ビザなしで90日間滞在できるのはベナン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ民主共和国、ガーナ、ギニア、ハイチ、インドネシア、モーリシャス、フィリピン、サントメ・プリンシペ、セネガル、セイシェル、シンガポールの国民です。
上記以外の国のパスポートを持ち、事前にビザの発給を受けていない場合、到着時にビザ申請手続きが可能になりました(2020年3月時点、費用はアメリカドル換算で$50)。ビザ発給手数料の支払いは現金でもクレジットカードでも可能です。滞在期間の上限は東アフリカと南アフリカ諸国の協定の国民は90日間(Common Market for Eastern and Southern Africa)、それ以外の国民は上限30日間です。
ビザの申し込み、また標準あるいは東アフリカ出身旅行者(EAT=East African Tourist)のビザ発給手数料はオンラインで政府公式サイトでも受理され、手続き後、数日でメールの通知が届いたら、添付のビザ申請の受諾書は必ずプリントアウトして持ち歩き、出入国手続きの時に管理官に見せます。EATは複数回の入出国先として上限90日の滞在先としてケニア、ルワンダ、ウガンダに認められています。これら現行の対象3ヵ国で有効期間が残っているのに、無効と言われる場合があり要注意。
ビニール袋
ルワンダでは薄手のビニール袋が禁止されている。荷物検査は出入国管理所のほか、あちこちの路上の検問でも行われ、ビニール袋は必ずチェックの対象です。禁止の理由はかつてビニール袋がゴミとなって街を汚したことや、今後はこわれやすい環境の破壊防止という目的があります。現在ではルワンダの街はどこも道路にゴミが落ちていないし、アフリカで最もきれいとも言われます。 |
飛行機で
[編集]ルワンダの首都はコンゴ民主共和国のゴマ空港(英語版)から車でもアクセス可能(およそ3時間)。
鉄道で
[編集]ルワンダに鉄道は通っていない。
出かける
[編集]話す
[編集]観る
[編集]する
[編集]ルワンダには国立公園が3ヵ所あります。
- 2 アカゲラ国立公園 (Pariki y'Akagera)
- 3 火山国立公園 (Pariki y’Igihugu y’Ibirunga, Volcanoes National Park)、The Rwandan Office for Tourism and National Parks (ORTPN), Boulevard de la Révolution n° 1, Kigali(入園の問い合わせ)。電話番号:+250-576514、+250-573396、メール:reservation@rwandatourism.com 。 西ゴリラの生息地であり、隣国のウガンダとコンゴも指定地内。動物生態研究者のダイアン・フォッシーの著書『Gorillas in the Mist(霧の中のゴリラ』)の舞台になった。金額は張るがキガリ(英語版)から日帰りで生息地に行く体験はよそにはない。 値段:1人1500アメリカドル(2017年時点)。ツアー会社指定のタクシー代金として別途、50アメリカドルを請求される。。入園できるかなど詳細の問い合わせはルワンダ国立公園観光庁(ORTPN)。
- 4 ニュングェ国立公園 (Pariki ya Nyungwe) 。
買う
[編集]通貨
[編集]
Rwandan francの為替レート
為替レートは変動します。これらおよびその他の通貨の現在のレートはXE.comを参照してください。 |
通貨はルワンダ・フラン(French: franc rwandais, Kinyarwanda: Ifaranga ry'u Rwanda)で、略号は「FRw」「RF」「R₣」 (ISO 貨幣コードはRWF、表記が FRw や RF R₣ の場合も)。
紙幣は金額の少ない順にFRw500(サイズもいちばん小さい) 、1,000フラン札や2,000フラン札、5,000フラン札もあり、金額が高いほど縦横もわずかに大きくなります。それ以上の「高額紙幣」は店先などではほとんど目にしませんが、5,000フラン札でも額面はおよそ$8 ですから、なかなか面倒です。キガリを離れるとクレジットカードが使える場所もとても少なく、そのせいで首都から出かけるときには、滞在が数日を超えると分厚い札束を持ち歩くしかありません。
硬貨で便利なのはFRw100コインで、 露店ばかりか小さな宿泊施設や料理店などではふつう、小銭(FRw50、20、10、5、1)を受け取りたがらないのです。 お釣りや両替で小銭を用意しているのは銀行の窓口か大手のスーパーくらいです。ガソリンスタンドでも他の商店でも両替商でさえも、金額の端数はFRw100単位に丸めてしまいます。
ルワンダフランへの両替で差損を少しでも抑えるには、アメリカドルなら50ドル札よりも多い金額(発行年は2006年以降)を差し出しましょう。
ルワンダの自動現金預払機(ATM)が普及していて、口座を持っている銀行にもよりますが、両替商に行くよりも為替率が良いので、ATMでフランをおろすほうが割安です。大手銀行のキガリ銀行、エクイティ銀行、エコバンク、ケニア商業銀行、GTバンクのATMなら、k.クレジットカードの利用はマスターカード、ビザ、ユニオンペイ、アメックス、ダイナース、JCBを受け付けます。(Bank of Kigali、Equity bank、Ecobank、Kenya Commercial Bank、GT Bank)
食べる
[編集]飲む
[編集]泊まる
[編集]宿泊施設はだいたい設備が簡素で、近隣のウガンダ (英語版) やタンザニアと比べると料金は目立って高めで、もっとも簡素なら$8-20アメリカドル。
設備の充実したホテルはキガリ (他言語版) にあり、中でも著名なオテル・ド・ミユ・コランヌ(Hotel des Milles Collines) は映画『ホテル・ルワンダ』の着想の場所でした。映画ファンなら銀幕のままの部屋に泊まれると期待したいところですが、ロケ地は実は南アフリカなのです。当ホテルは大規模改修を終えて再開しました。なお、カガリのホテルでは、1泊50アメリカドル前後、周辺にはもっと手頃な宿もあります。
都心には、カトリック教会の女子修道院が経営する値ごろなサンポールという宿泊所があります。円形の交差点に同じ名前の教会が立ち、その裏側にあります。風呂トイレは共有、2人部屋のみです。
キヴ湖とキブウェ。
キブウェの割安なホテルは、オームサンジャン(Home Saint Jean、電話:0252 568 526)はドミトリー(相部屋)と個室があります。
バックパッカー向けでキガリ (他言語版) にあるのは、ディスカバー・ユースホステルです(Discover Rwanda Youth Hostel)。
安全を確保する
[編集]ルワンダで観光客は一般に温かく歓迎され、旅先の国としては大まかに安全とみなされている。ただし国境地帯のうちコンゴ民主共和国とブルンジ (英語版) 側は要注意。国の北東部には、かつて内戦を戦った元部隊が残存しているという噂があり、1994年の大虐殺後、避難した Interhamwe wの人々の存在によるものという。ギセンイ (英語版) 、キブエ (英語版) は安全とされるものの、国境地帯は不安定でいつ情勢が変わってもおかしくない。詳細は外務省の喚起情報、地元の情報をチェックすると良い。
ゴリラのトレッキングツアーはコンゴ共和国との国境側でも行われていて、一般には安全とされており、ルワンダ軍が広域にわたって展開しているおかげでもある。
タクシー(マトゥトゥス matutus )で地方を移動するときは、途中で警察や軍の検問を通過することになっても驚かないこと。停車すると身分証明書のチェックがあり、運転手の登録証や保険その他を調べる場所なので、ルワンダ滞在中はどこに行くときも、最低、パスポートをコピーしたものを忘れないようにしたい。
健康を維持する
[編集]困ったときは
[編集]ルワンダ観光省 国立公園管理局、キガリ(英語版)
(ORTPN : Office Rwandaise du Tourisme et des Parcs Nationaux), Boulevard de la Révolution no 1, Kigali
Tel: +250 576 514 or 573 396
- 在日ルワンダ共和国大使館[リンク切れ]
〒158-0081 東京都世田谷区深沢1丁目17–17
Tel: +1 81 3-5752-4255 - 在カナダ・ルワンダ大使館、オタワ
53 Gilmour Street, Ottawa, ON K2P 0N8, Canada
Tel: +1 613 569-5420 - 在イギリス・ルワンダ大使館[リンク切れ]、ロンドン
120-22 Seymour Place, London W1H 1NR, UK
Tel: +44 20 7224 9832 - 在アメリカ・ルワンダ大使館、ワシントンD.C.
1714 New Hampshire Avenue, NW, Washington, DC 20009, USA
Tel: (202) 232 2882
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