ニーム[リンク切れ](フランス語 : Nîmes)はフランス南部のオクシタニー地方ガール県にある137,000人ほどの人口を抱える都市です。この都市の中心ともいえる円形競技場は、ローマ時代のものですがコロッセオに次ぐともいうほどの完成度で残っており、ローマ時代の栄華を今に語り継ぐ貴重な施設です。他にもローマ時代の遺物・遺跡が多く遺っており、歴史好きにはもちろんそうでない方にも非常に楽しめる場所です。
知る
[編集]町の名称はローマ人の村にあった泉であるネマウスス(ラテン語:Nemausus)に由来し、この植民地・移住を意味するColonia Nemaususの略語・COLNEMはニームの紋章にも描かれています。
歴史
[編集]ニームは紀元前、カエサルのニーム遠征によりローマ帝国下となり、当時の硬貨にはネマウスス植民地を表す「NEM. COL」が記されていました。この地はイタリアとスペインを結ぶローマ街道の1つであるドミティア街道沿いに位置し、その為かはわからないがアウグストゥスによりナルボンヌ県県庁として町が建設されます。それは最長6kmにわたる14の塔と長い城壁を兼ね備えていました。当時建設された門であるアウグスタ門とフランス門については現在も残っています。さらに、街を作る際に必須である水もユゼスから引いて来、その水道橋であるポン・デュ・ガールは世界遺産登録もされている非常に有名な観光地です。また、円形競技場など現在も残っているニームの歴史的で魅力的な観光地はほとんどがこの時代に作られたものと考えられています。この繁栄はアルルが栄えはじめる4世紀頃まで続きますが、473年に町は西ゴート人により占領されます。
その後異民族による占領状況が続き、710年にはスペインからムーア人が侵略すると街はピピン3世の下となります。このような侵略状況下において破壊されたローマ時代の遺物は非常に多くありましたが、そのすべてが壊されたわけではなくそれは現在のニームの主要観光地から悟ることができます。カロリング朝の支配下にはいると街は比較的安定しましたが、12世紀には地域紛争により再び荒れました。この間には市民たちが街を運営しており、メゾン・カレの4人の執政官が代表していました。また、この期間に牧畜業や商業などの産業が発達しました。
14~15世紀にはユグノー戦争に代表される泥沼の様な戦いが続き、経済が廃れるとともに飢饉が発生し、親族間の殺し合いや弾圧などは17世紀中ごろまで続きました。
着く
[編集]飛行機で
[編集]ローマの町やパリなどのヨーロッパの主要都市を運行している便が1日に何本も運行されており、これには格安航空会社も含まれます。
- 1 ニーム・アルル・カマルグ空港 (aéroport de Nîmes-Garons, FNIIATA) 。 空港は市街地から約20kmのところにあり、イギリスのロンドン(ロンドン・ルートン空港)やリバプール(リバプール・ジョン・レノン空港)、ベルギーのブリュッセル(シャルルロワ空港)、モロッコのフェズ(フェズ=サイス空港)、マラケシュ(マラケシュ・メナラ空港)などからライアンエアーの便が往復しています。空港とニームの市街地の間にはシャトルバスが運行されており、片道で1人6.8ユーロです。1便につき1本しか走っていない為、事前に時間を確認しておくといいでしょう。バスに乗り遅れた場合、徒歩かタクシーを使うしかありません。
鉄道で
[編集]ニームにおける鉄道はニーム駅が最も主要で便利です。パリ-マルセイユ線からタラスコンで分岐する路線のスペインへ向かう途中の路線であり、モンペリエなどを経由しています。また、LGV地中海線を経由するTGVも通っており、リヨンに向かうことができます。さらに、クレルモン=フェラン経由の長距離在来線も利用可能です。他の路線は、リールやリヨン、ニースなどへ向かうTGVとボルドー~ニースを結ぶ長距離在来線です。また、トゥールーズ・モンペリエ・クレルモン=フェランなどへも在来線が伸びています。
駅
[編集]バスで
[編集]エドワード[リンク切れ][リンク切れ]によりルートC30とルートC21が運行されており、夫々アルルとポン・デュ・ガールから運行されています。片道1人1.5ユーロです。
車で
[編集]ニームへは様々な高速道路が通っています。南のスペイン国境から走っている高速道路A9(モンペリエやローヌ渓谷からくる場合に便利)とスペインの高速道路AP-7、北方向にはOrangeとA7、南東方向はニームサロン・ド・プロヴァンス間を結んでいるA54(プロヴァンス地方 - アルルやマルセイユからくる場合に便利)が走っています。
国道も十分に整備されており、セヴェンヌや中央高地からは国道106号線が便利です(2x2車線)。
移動する
[編集]主要な観光スポットは全て徒歩で行ける距離にあり、市街地外に出ることはあまりありません。
2011年からはサービスレベルが高い路線網が導入され、駐車・駐輪が楽になりました。
バスで
[編集]A~Lの都市線が走っており、間隔は最大30分です。ただ、見どころは徒歩での移動で十分ですので、宿泊施設と旅行先との移動くらいにしか用いないでしょう。ただし、全線有効券が1日(3ユーロ)と2日(6ユーロ)で売っています。なお、祭日には大規模な迂回システムが利用されているために路線のほとんどは市街地を通りません。地図は市内中心部のバス停やSNCFの駅にありますが、運転手などに尋ねることもいいでしょう。
車で
[編集]車好きの方は車で移動したいかもしれませんが、最近は市街地の公共交通網は完璧に整備されており、車は歓迎されなくなっています。これは車による交通渋滞や公害を考えれば至極当然のことです。
自転車で
[編集]ニームは現状のところでは自転車道整備が十分とは言えませんが、数年後には市街地のインフラ整備が行われ、この状況も改善しているでしょう。しかし、市内の地形は変化に富んでいるので、サイクリングはとても楽しいでしょう。
徒歩で
[編集]この歴史の深い街で徒歩をすることは非常に旅行者に価値のあるものでしょう。この街では観光名所が一部に密集しているために、徒歩は推奨されますし天気のいい日には非常に気持ちいでしょう。日本ではあまり見られませんが、ローラーブレードで移動することは天気のいい日の旅行者の1つの選択肢となります。
トラムバスで
[編集]車でパークアンドライド施設に駐車し、T1ラインで移動可能です。このトラムバスには9個駅があります : A54 Caissargues・Mas de Vignolles・Costières-Parnasse・piscine Nemausa・Liberté・Camargue・lycée Dhuoda・Montcalm・arènes。これを使用することで、渋滞などを避けてスムーズに市内を移動できます。
社内には135の座席があり、PMR(運動機能障害者)4席と車いす用2席が含まれています。また、監視カメラが設置されており、スクリーンの路線図と音声アナウンスにより情報を得られます。
困ったときは
[編集]- 1 旅行案内所、6 rue Auguste。電話番号:+33 4 66 58 38 00。 この観光案内所は毎年「Bienvenue」という非売品の英語の観光パンフレットを発行しており、問い合わせることでもらうことができます。このパンフレットには、ホテル・キャンプ場・レストラン・バーなどがリストになって掲載されています。また、ニームの観光名所を紹介した旅行ガイドもあります。「Esplanade Charles-de-Gaulle」にも観光案内所があります。 営業時間:7、8月 :: 月~金曜日 : 09:00~19:30、土曜日 : 09:00-19:00、日曜休日 : 10:00~18:00。4~9月 :: 月~土曜日 : 09:00~19:00、日曜休日 : 10:00~18:00。10~3月 :: 月~金曜日 : 09:00~18:30、土曜日 : 10:00~18:00、日曜休日 : 10:00~17:00。 種類が指定されていません
観る
[編集]- 円形競技場
- 泉水公園
- マーニュ塔
- ディヤーヌ神殿
- アウグストゥスの門
ニームにある3つの主要なローマ遺跡は、メゾン・カレとマグネ塔、そして非常に有名な円形闘技場です。この3つの遺跡の入場券は、大人12ユーロ・7~17歳10ユーロで買えます。これは円形闘技場の入場券より2ユーロ高いです。また、すぐ近くにあるローマ劇場とのセット券も売っています。そのほか、ディヤーヌ神殿やニーム大聖堂などは無料で見学できます。
- 1 カステルム・アクアエ (castellum divisorium, ラテン語:Castellum aquae)、16 rue de la Lampèze (フランス ニーム 14 ランペズ通り 16 30000) 。 50kmも続く水道橋の終点となっていた分配器(アクアエ)。「aquae」とは「水の」という意味で、castellum aquaeは直訳すると「水の砦」となります。
- 2 ニーム大聖堂 (cathédrale Notre-Dame-et-Saint-Castor de Nîmes)、rue Saint-Castor/ rue des Marchands 。 町の中心部にあり目立つこの大聖堂は、11世紀に建てられてから何度もの改築を経て今に至っています。この大聖堂はアウグストゥスの新田の上に建てられたと伝えられていますが、その痕跡は残っていません。
- 4 円形競技場 (arènes de Nîmes)、Arènes広場, place des Arènes。電話番号:+33 4-66-76-77 。 非常に保存状態が良く規模も大きいローマの闘技場で、9月に闘牛祭りが行われます。建築は西暦100年にさかのぼるほど古く、今でもとても素晴らしい場所です。 追加情報:闘牛場。 営業時間:09:00~12:30、14:00~18:00。
- 5 メゾン・カレ (maison carrée, Square House)、place de la Maison Carrée。電話番号:+33 4 66 21 82 56 。 保存状態が最もと言えるレベルでいい、このローマ神殿は、西暦で2世紀ごろにアウグストゥスによって町が建設された際に建てられたものです。内部は近代劇場となっており、30分ごとにNemaususという映画が放送されています。この映画では町の歴史や仕組みなどを知ることができますが、外観と中身にはギャップがあり内装には歴史を感じるものがあまりありません。 値段:Adult €6, child (7-17)/student €5。
- 7 フランス門 (porte de France)、フランス30900ポルト=ド=フランス通り, rue Porte de France 。 町の建設以来ずっとここに建ち続けている歴史ある門で、現在残っている当時の門はこれを入れて2つのみです。
- 8 ダイアナ神殿 (temple de Diane, Temple of Diane)、Quai de la Fontaine 。
- 9 マーニュの塔 (tour Magne, Magne Tower)、chemin de la Tour Magne (N end of Jardin de la Fontaine)。電話番号:+33 4 66 21 82 56 。 営業時間:9:00~19:00。
- 10 ラ・フォンテーヌ庭園 (jardins de la Fontaine, フランス語 : Jardin de La Fontaine)、Quai de la Fontaine。電話番号:+33 4 66 76 70 01 。 ダイアナ神殿の横にある小さめの庭園。水がとてもきれいです。
博物館・美術館
[編集]- 11 ニーム旧市街博物館 (musée du Vieux Nîmes, フランス語 : Musée du vieux Nîmes)、Place aux Herbes。電話番号:+33 4 66 36 00 64 。
- 13 ニーム美術館 (フランス語 : Musée des Beaux-arts de Nîmes)、rue de la cité Foulc 20-22。電話番号:+33 4 66 28 18 32。 フランドル・イタリア・フランスの作品やローマのモザイクなど。
する
[編集]ニームでは、毎年2つの大きな祭りが行われます :
落ち着きのない子供たちのために、Avenue Jean Jaurèsではたくさんの屋台が並ぶファンフェアが開催されます。ただし、ここ最近パエリアの屋台で食中毒が発生しているので、健康・衛星には十分注意しましょう。
学ぶ
[編集]食べる
[編集]地元にはブランダード(brandade)という郷土料理があり、鱈にマッシュドポテトと牛乳、ニンニク・オリーブオイルを混ぜて調理したものです。これは、都市の中のほとんどの店で出されています。他にGardiane de taureauという牛肉と野菜のラグーも美味しいです。Tapenadeというオリーブ・オリーブオイル・ニンニクを使ったパンも、お勧めです。
- 1 L'Ancien Théâtre、4 Rue Racine。電話番号:+33 4 66 21 30 75。 地元でとれた新鮮な食材を使った料理を提供する、お手軽なお店です。前菜やメイン、デザートとは別にチーズが出ます。. 値段:お手軽、最高€32。