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キャンプ

キャンプとは、屋根と寝具をリュックサックや車で運ぶ、すべてが自主的な宿泊施設です。人里離れた場所を旅するなら、キャンプは唯一の宿泊施設かもしれませんし、文明の力を借りながらキャンプを楽しめる人気のサイトもあります。多くのオートキャンプ場には、テント利用者のためのエリアがあります。こういったキャンプ場には、真水やトイレなどの基本的な設備が整っていることがほとんどです。

ウィキボヤージュでは、その種類によってさまざまなキャンプを紹介しています:

知る[編集]

チェコ共和国にあるカヌーイストのためのキャンプ場
ノルウェーの大自然でキャンプする
ロシアのグランピングテント

世界的に、郊外や行楽地には商業的なキャンプ場などがよく見られます。多くのケースでは、キャンプ場はオートキャンパーとテントを張る通常のキャンパーのどちらにも対応しています。レンタル用の小屋やキャラバンがある場所も少なくありません。キャンプ場には通常、シャワー、売店、遊び場などがあります。とはいえ、施設はごく基本的なもの(水場のみ、トイレが加わったもの、など)から、ホテルのようなものまであり、あらかじめ建てられたテントや常設の小屋を借りることができるところや、スーパー・プライベートビーチへのアクセスがある場所もあります。

国立公園などでのキャンプは一般的な選択といえましょう。キャンプに許可は必要か、その費用はいくらなのか、キャンプ場の選択は制限されるかを必ず確認しておきましょう。通常、事前にあるいは到着時に許可を取得しなければなりません。人気のある国立公園や保護区の多くは、キャンプができる場所が限定されており、中には全面的に禁止しているところもあります。ハイキングをする場合、徒歩で1日の間隔にキャンプサイトが設定されていることが多く、その間の区間でキャンプすることは禁止されているという場合がしばしばです。施設は、郊外や行楽地にある通常のキャンプ場と比べればずっと基本的なものかもしれません。

許可は通常、事前にまたは到着時に得られますが、人気の高い休暇期間中は得るのが困難だったり、数か月前に売り切れてしまうこともあるでしょう。許可が必要な場合、当日の許可が入手できるかどうか確認せずに安易にキャンプ休暇を計画しない方がいいです。

北欧諸国などでは、キャンプをする権利は自然享受権の代表的なものです。自然や人に迷惑をかけたり、害を与えたりしない限り、1泊程度ならどこにでもテントを張ることができます(目に見えない、気にならないという場合がほとんどですが、微妙な場所には立ち入らないようにし、火の規制などは別途確認すること)。現場にある設備が必要なら、有料のキャンプ場を利用しましょう(無料で設備を提供しているキャンプ場は少なく、そしてどんどん減っています)。保護区域内では現地の規則を確認すること。

一方、アメリカでは私有地に関する法律が非常に厳しく、明確に所有者に許可を貰わない限り私有地に立ち入ることは禁止されています。州によっては、所有者が自分の土地を守るためにあなたを射殺することが合法とされています。軍用地以外の公有地ならば、通常痕跡を残さなければキャンプができますが、公有地と私有地の区別は曖昧な場合が多いので、キャンプ場を決める前に必ず下調べをしてください。

人がまばらにしか住んでいない土地なら、ワイルドキャンプはできるかもしれませんが、どちらにしろ認められているか確認してください。「野営キャンプ」ができない場所では、単なる野営、すなわち雑な設備で寝ることになるかもしれません。

特にヨーロッパでは、第三者企業やキャンプ場自体が、比較的簡素で安価なものから、ホテルやバケーションレンタルに匹敵する価格と快適さのテントやモービルハウスまで様々なものを貸し出していることがよくあります。グランピングと呼ばれることもありますが、これは通常のキャンプにはない居住性や、場合によってはリゾート並みのサービスを備えたキャンプを指します。グランピングは、ホテル宿泊の贅沢さとキャンプの逃避行や冒険の融合を求めて生まれたものであり、21世紀の観光客に特に人気があります。こういった種のキャンプでは、荷物が大幅に減るという利点がありますが、特定の場所に(大幅に)限定されます。「本当の」キャンプ体験が希薄になると考えている人もいます。

話す[編集]

地元の人に人気のキャンプ場もあれば、国際色豊かな人が集まるキャンプ場もあります。共通語が使える場合もあるでしょう。

用語集[編集]

キャンプをはじめたばかりならば、しばしば出てくるキャンプ用語に戸惑うこともあるでしょう。ここでは五十音順にキャンプで使用される、またキャンプに関連する用語を紹介します。

あ行
  • オートキャンプ ― 車に乗って移動するキャンプを意味する和製英語です。泊まるのが車内にしろテントにしろ、キャンピングカーやキャンピングトレーラー(あるいは大きめの車)を利用してキャンプをすることが本来の意味でしたが、最近は単に車でキャンプサイトのすぐ近くまで行くことが出来る場所を「オートキャンプサイト」(またはオートサイト)と呼ぶなど、より広義で使われるようになっています。決して全自動でキャンプができるわけではありません。
か行
  • キャンプサイト ― 実際にテントを張ってキャンプをする場所のことです。キャンプ場によってキャンプサイトの区画が決まっているところもあれば、広々としたサイトのどこにでもテントを貼ることが出来る所もあります。
  • キャンプファイヤー ― キャンプにて行う焚き火のことです。使用する薪やその組み方などで様々な種類があり、用途も地域もバラバラです。火付けの際には着火剤などがあればいいですが、ないならば新聞紙などに火をつけてから小さな薪へ、そして大きな薪に順に伝わるように組みます。空気の通り道がなくなると火は消えてしまいます。大きな炭に火がつけば安定しますが、火のついた炭をできるだけ集めておいた方が長続きするでしょう。
  • グランドシート ― テントの下に敷き、テントへのダメージや地面からの冷気を防ぐ効果があります。また、テント本体の代わりにグランドシートが汚れることで洗濯が簡単になります。
  • グランピング ― グラマラス(Glamorous)とキャンピング(Camping)の造語で、直訳すると「魅力的なキャンプ」となります。自然の中でホテル並みのサービスを享受するスタイルで、キャンプの一種と認めるかどうかは賛否が分かれます。
  • コテージ ― 小屋のような建物で、ほとんどの場合宿泊のための設備が揃っている場所です。バンガローと似ていますが、コテージはバンガローよりも水回りをはじめとした機能が豪華です。プライベート空間が欲しい方や家族でのキャンプなどの際におすすめです。
さ行
  • シュラフ ― テントの中で寝るには必需品と言っても過言でない、寝袋の別名です。ドイツ語のシュラフサック(ドイツ語Schlafsack)が由来です。
た行
  • 焚き火台 ― 焚き火をするための台です。山火事などのリスクが高いため、地面に直接置く焚き火は推奨されておらず、最近では禁止するキャンプ場がほとんどです。そのため、焚き火台を使用して台の上で火を起こします。多くのものはキャンプ飯の調理などにも使用できますが、その場合網が必要になるでしょう。網は100円ショップなどで売っているもので構わず、その場合使い捨てになります。
  • タープ ― 支柱で支えて紐で固定する屋根替わりのアイテムです。テントとの違いは壁や床がないことで、布を頭の上に広げているイメージです。雨風よけなどに役立ち、天候の悪い日でもタープの下で火を起こせる他、真夏などは日差しを避けて涼むこともできます。
  • テント ― キャンプでは典型的な構造物で、ポールや紐を使用することで固定した小さな拠点です。形状や機能など多種多様なものがあり、値段や使いやすさも異なります。
な行
  • 寝袋 ― シュラフとも。携帯用寝具で、小さく丸められるのが特徴です。封筒型やマミー型などいくつかの種類があり、用途と財布の事情で選びます。
は行
  • バンガロー ― 小屋のような建物で、キャンプ中の宿泊に利用されます。アウトドアの感じを残したまま最低限必要な設備は準備されているため、キャンプを始めたばかりの方や安く泊まりたい方などにおすすめです。具体的な設備はキャンプ場によって異なるので、予約する前に必ず確認しましょう。
  • ハンモック ― 布の両端を吊るしてぶら下げた形の寝具で、脚は付いているものと付いていないものがあります。付いていないものは頑丈な木と木の間に吊るすなど、工夫が必要です。夏場には風が通り快適な一方で、冬キャンプや晩秋、初春などには寒いため登場することはあまりないでしょう。
  • ペグ ― テントをはじめキャンプの施設を建てる際に、それを支える紐を地面に固定す杭です。プラスチック製のものからアルミやスチールなどの金属製のものまであり、安いものは脆くて壊れやすいです。丸ペグやY字ペグなど、形状も様々で、長さも異なりますが、それぞれ固定するものによって使い分けられます。テントやタープに専用のペグがついていることもありますが、頑丈で永く使うことが出来るものはあまりありません。
  • ポール ― テントに用いるものは特にテントポールとも。施設によって長さや構造、素材などが異なり、長いポールはほとんどが中に紐が入っていてポール自体は分解し折りたたむことができます。テントやタープなどの本体を支える以外にも、ツールームテントやワンタッチテントなどに多いキャノピー(入口につく庇)を支えるなど色々な役割が考えられます。
ま行
や行
ら行
  • ランタン ― 夜を越すキャンプなら必須と言えるアイテムです。小さな照明で、原則手に提げて持ち運ぶことが出来ます。近年のランタンは大抵がLEDや蛍光灯ですが、石油燃料やロウソクなどの昔のものも趣があります。
わ行

準備する[編集]

車で到着するのでないなら、余分な荷物は持ちたくありません。訪れる予定の場所で最も必要なものを詰め込みましょう。衣食住(寝る場所、食事を準備する方法、悪天候に備えた十分な服装)に加えて、衛生面で必要なもの、キャンプ中にすること(水泳用品、スポーツ用品、本、カードのパックなど何でも)が欲しいです。

荒野のハイキングでキャンプをするのであれば、おそらくもう何を運べばいいか分かっているはずです。そうじゃないなら、最寄りの駅からキャンプ場までの距離(加えてタクシーを使うかどうか)によって、それ用にバックパックが必要か、他の荷物で済むかが決まります。また、その間は舗装された道路なのか、穴だらけの未舗装道路なのか、それとも丘を登る磊磊とした歩道なのかも考えるべきです。

料金と許可[編集]

キャンプ場は通常、有料の宿泊施設の中では最も安いでしょうが、料金は様々です。テント単位で支払う場合もあれば、人数・団体単位で支払う場合もあります。コテージなど、より高価なものもあるでしょう。また、シャワーやサウナ、その他の設備を利用する際お金がかかるかもしれません。

着く[編集]

ほとんどのキャンプ場は車で行けますが、公共交通機関からは離れているかもしれません。近くはタクシーが利用できないかもしれませんし、人と荷物で溢れた家族キャンプの人ばかりでヒッチハイクができないかもしれません。

キャンプ場によってはハイキングコースやカヌーのルート沿いにあったり、特に国立公園などの中にあるときは道路が通行止めになっていることがあります。

キャンプ場は、日中に良い場所を選び、受付をしてサイトを把握できるように時間に間に合うよう到着しましょう。

する[編集]

大きなキャンプ場には、ビーチやバドミントンコート、遊具の貸し出しなど、暇つぶしの設備が整っていることも大いにあります。

都会から離れたキャンプ場では周囲の自然が魅力なケースが多いので、周辺に素敵な散歩道があるかもしれません。

買う[編集]

キャンプをする途中、たとえばキャンプファイヤーの時に薪が足らないなら、キャンプ場の売店で買わなくてはいけないかもしれません。

食べる[編集]

設備の控えめなキャンプ場を訪れるときは、キャンプ用のコンロと燃料が必要かもしれません。そうでないなら、炊事場があることが多く、バーベキューサイトが利用できるかもしれません。

冷蔵庫はほとんどの場合利用できないので、生鮮食品でないものに頼るか、頻繁に補給しなくてはなりません。基本的なものはキャンプ場の売店で買えることが多いです。最も近いお店までの距離を確認しておきましょう。近くの農家が農産物を売っているかもしれません。

飲む[編集]

一般的なキャンプ場には飲料水が用意されていることが多いですが、質素なキャンプ場では自分で水を持参するか、小川を利用しなければならないところもあります。サイトには何らかの対処法が書いてあるはずです。

泊まる[編集]

キャンプサイトには、テント用のサイトと、キャラバンやキャンピングカーで来る人用のサイト(オートサイト)があります。コテージや固定式キャラバンなど、現地に施設があることも少なくありません。

安全を確保する[編集]

火の用心。テントと火元はある程度話しておきましょう。

貴重品は見えないところに置き、鍵のかかっていない場所に無防備に放置することは避けましょう。

健康を維持する[編集]

キャンプ場から病院は遠いかも知れません。救急隊が来るのは大変かもしれません。

標高の高いキャンプ場では気温差が激しい場合があります。急激な温度現象には十分気を付けておきましょう。

繋がる[編集]

多くのキャンプ場は人口が少ない地域にあるため、携帯電話の電波状況はあまりよくないかもしれません。最寄りの都市を出発する前に、オンラインの地図をダウンロードしたり、機会があれば親しい家族に確認しておくといいでしょう。充電が切れないように大事なものは印刷しておくと最高です。

キャンプ場には郵便ポストなどがあるかもしれません。

出かける[編集]

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