ミュンヘンの フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港(MUCIATA)(ドイツ語: Flughafen München Franz Josef Strauß)はババリア地方(英語版)の第一都市ミュンヘン(英語版)に就航する代表的な国際空港である。ドイツ国内で利用者数の空港番付第2位であり、ヨーロッパ全域でも最も利用者の多い空港の1つに数えられており、ルフトハンザ航空第2の拠点で、スター・アライアンスのハブとして機能してきた。ドイツ国内のほとんどの国内線空港につながっており、ヨーロッパ各地の都市やレジャー目的地、主に北アメリカや中東、アジアの大陸間航路の目的地にたくさん便を提供している。
空港ビルの「Hの字」形をしたターミナルは主に2ヵ所あって、中央のZ区を挟んで第1ターミナル(A-F区)と第2ターミナル(G、H、K、L区)はつながっている。
知る
[編集]この空港が辺鄙な場所にある理由は、古い空港を置き換える必要があったことと航空便の増加に対応した結果である。ミュンヘンの空港は20世紀のほぼ全期間、現在の空港よりも市内中心部にずっと近い「リーム」地区にあった。しかしミュンヘンの中心市街地で飛行機が路面電車に衝突する事故など、多くの問題を引き起こしたため、空港は1992年に現在の場所に移転、収容力を拡大し施設の近代化の需要を満した。
現在の空港が開港した1992年に、すでに将来の拡張に向け長期計画が引かれた。したがって数十年前の不完全なインフラが残るフランクフルト空港(英語版)と比べると、ベルリン空港ほどの規制緩和が実現せず混乱への対処に追われることもなく、一貫性があって理路整然とした計画に沿っている。
旧空港の敷地(リーム地区)は住宅地や公園その他に用途転換された。ミュンヘンの見本市会場も転入している。
正式名称「フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港」は、長年、保守派(CSU)政治家としてバイエルン州に努めた人物に由来する。1949年に「ドイツ連邦議会」議員になり複数の政府で大臣を務め、1980年の首相候補、保守派政権の晩年にはバイエルン首相を務め、在任中の1988年に死去した。保守的な州民には尊敬されたが、非保守の州民やバイエルン州以外の人々からは、依然として物議を醸す人物である。1980年の首相選挙では社会民主党とヘルムート・シュミットが手を結んだ「ストップ・シュトラウス」陣営が時勢を得て勝利した。シュミットはハンブルク(英語版)の空港の正式名に献名されている。
ミュンヘン空港は計画の初期段階からNIMBY中心の環境破壊反対に直面し、長年、第3滑走路の建設をめぐる論争が続いてきた。バイエルン州首班のマルクス・セーダーは2020年時点に「私の任期中には実現しない」と述べて以来、第3滑走路に関する議論は「凍結」されたままで、賛成派も反対派もこの状況に不満はない。セーダーの前任者エドモンド・ストイバーは空港まで「トランス・ラピッド」リニア鉄道建設を熱心に働きかけ、今や伝説になった支離滅裂な支持演説を行って「ストイバーの10分演説」として語りぐさになった。この逸話はドイツ国内で政治を揶揄するコメディの定番にもなったのに、トランスラピッドは結局は建設されず、今もミュンヘン中央駅から公共交通機関で空港までほぼ15分かかる。
ターミナル
[編集]ミュンヘン空港の主要な旅客ターミナルは第1と第2があり、サテライト・ビルを増設して第2ターミナルとつないだ。両ターミナルは陸側で接続し、保安検査前は中央エリアZ区で待ち、乗り継ぎ便が別のターミナルから出発する場合は、保安検査後にシャトル・バスに乗る。鉄道の空港駅は両ターミナルの中間に設けられている。車を使ってアウトバーンから空港へ向かう場合は、ターミナルごとに私道が分岐しているため、陸路で空港に着く場合はフライトがどちらのターミナルから出発するか、事前によく確認しておくと良い。
第1ターミナル
[編集]第2ターミナル
[編集]航空便
[編集]地上交通で
[編集]この空港は街から離れた場所にある上に、特急電車などがないため—通勤電車「S バーン」のみが走り時短になりません。ミュンヘンの中心部から空港までおよそ40 km、所要時間は50分。ミュンヘンよりも北の都市から空港に向かうと、通常、ミュンヘン駅で来た方向へ戻ることになります。ただし出発駅がレーゲンスブルク(英語版)の地方列車には、もっと効率の良いルートを走る便もあります。
電車で
[編集]ミュンヘン方面
[編集]「バイエルン圏平日の昼間の鉄道乗車券」(英語版外部リンク[リンク切れ])もSバーンを利用可能。チケット代は1人目 €25、2人目から1人あたり €6 です(1グループの上限は5名まで。)ただし乗車券には1枚ずつ、利用者の名前を記入する必要があります。特定の日に発券機で日付指定で買うと、使うときに使用日を打ち込む手続きは不要です。
北方向
[編集]ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)の発券カウンターの営業時間は毎日、朝07:30から22:00までです。カウンターが閉まっているとか、行列が長い場合は、カウンターの横にある自動発券機か、または空港から乗るなら、第2ターミナルの出口脇の発券機で購入できます。料金体系の複雑さは有名で - 運賃計算は路線ごとに個別に足していき、さらに混雑状況で値段が変動し - ドイツ人でさえ冗談のタネにするほどです。券売機の表示はほとんどの主要なヨーロッパ言語に対応しており、チケットを購入する際に間違えやすいポイントは、一応、全部「説明」してくれます。長距離列車に乗る場合は、長距離列車を選択した画面で長距離切符が自動で選択されますので、必ずそちらを購入してください。
バスで
[編集]ドイツの長距離バス会社フリックスバス FlixBus は、インスブルック(オーストリア)発ミュンヘン中央バスターミナル経由ミュンヘン空港行きを1日7便走らせており、料金は片道の最安値で€19.50から。他のバス会社にレギオジェット Regiojet[リンク切れ]もあります。さらにニュルンベルク(英語版)行きならルフトハンザ・エクスプレス・バス[リンク切れ]もあるのですが廃止した国内線の代替手段であるため、ミュンヘン経由の乗り継ぎ便航空券と同時に予約するほかありません。
タクシーまたはシェアライドで
[編集]第1ターミナルのタクシー乗り場は、出発階も到着階もA区-E区のレベルE04の目の前にある。第2ターミナルなら到着階レベルE03、出発階レベルE04、中央エリア(MAC)レベルE03北側を出たところにバスとタクシーの乗り場がある。ミュンヘン都心部までの運賃は€60前後。
さらに他の主要都市に比べると利用できる場所は限られるが、空港からシェアライド・アプリの「FreeNow」(フリーナウ)や「Uber」(ウーバー)、「Bolt」(ボルト)も利用可能。
車で
[編集]ミュンヘン市内からアウトバーンA 92号をデゲンドルフ方面(英語版)に向かう。アウトバーン6番出口「Dreieck Flughafen」(ドライエク・フルークハーフェン)で高速道路を降りる。パッサウ(英語版)方面から向かう場合は、B388号沿いに進むか、アウトバーンA 94号を東進して「Flughafentangente Ost」(フルークハーフェンタンゲンテ・オスト=空港通り東)で降りる。
駐車場
[編集]駐車場や屋内駐車場は豊富で、ターミナルに隣接して短期駐車場(到着客の迎え用)があります。ターミナル周辺の駐車場は番号順にP1~P5、P7、P8、P20と呼ばれ、料金は7日間€175 、追加1日ごとに€30が加算されます。どの駐車場も車高制限は最低 2.0m です。
フルーハーフェナリー(空港通り=Flughhafenallee)を挟んでP41、P80、P81と呼ばれるのほは「行楽客用駐車場」(Urlauberparkplatz)。駐車場からターミナルまではシャトルバスを利用します。駐車券を見せると料金無料。こちらの駐車料は3日以上7日までは€35、その後は追加1日ごとに€2ずつ加算されます。
移動する
[編集]同じターミナル内の移動は、徒歩が最も楽。保安区域を出ずに一方のターミナルからもう一方のターミナルまで歩くという選択肢はないものの、ターミナル間を結ぶ無料のエアサイド・シャトル・バスはエアサイドから発着する。この連絡バスは時間帯によって増減し、約10-20分間隔で発射する。大型ジェット機の増便により(エミレーツ航空のA380型など)、バスが満席で乗れないこともある。
待合エリア
[編集]ラウンジ
[編集]第2ターミナルにはルフトハンザ航空とスター・アライアンス用ラウンジが点在し、ほかにも第1ターミナルに一部の航空会社の専用ラウンジと、空港直営のオープンアクセス・ラウンジがある。
- 空港ラウンジ・ヨーロッパ (第1ターミナルD区、レベル5(保安区域の奥))。 空港直営のオープンアクセス・ラウンジ。シェンゲン圏内の目的地行きの旅客が対象。入場料は €38.20 から。またコンドル航空、エア・バルティック航空、アイスランド航空のビジネスクラスの乗客も利用可能。
- 空港ラウンジ・ワールド (第1ターミナルB区、レベル6(保安区域の奥))。 空港直営のオープンアクセス・ラウンジで入場料は最低49.90€、ブリティッシュエアウェイズとアメリカン・エアラインズのビジネスクラスの旅客も利用可能。
- エミレーツ・ラウンジ (第1ターミナル区C、レベル5(保安区域の奥))。 空港直営のラウンジで、エミレーツ航空のファースト・クラスとビジネス・クラスの旅客、ステータス会員専用。
- エアフランス・KLMラウンジ (第1ターミナルD区、レベル5(保安区域の奥))。 エアフランス航空とKLM航空のビジネスクラスの旅客とステータス会員専用。スカイチーム加盟航空会社の同等のクラスの旅客も利用可能。
食べる、飲む
[編集]買う
[編集]繋がる
[編集]ミュンヘン空港では24時間、テレコム社(Telekom)が運営するWi-Fi[リンク切れ]を無料で利用でき、端末またはMACのいずれかに接続して使う。そのほか、エアサイドの両ターミナルのあちこちに1人あたり利用時間20分のコンピューターもある。
Cope
[編集]- AirportClinic M(空港クリニックM)、Terminalstraße West (第1ターミナルE区3階)。電話番号:+49 89 9756-3315、ファックス:+49 89 9756-3306。 この施設には整形外科、婦人科、泌尿器科、歯科と麻酔科が入っている。他にも医療サービスをさまざまに提供していて、利用者が行きかう。 種類が指定されていません
- メトロポリタン薬局(Metropolitan Pharmacy)。電話番号:+49 89-978 802 200、メール:muc@metropolitan-pharmacy.de。 空港内の支店は3軒。第2ターミナルのレベル4と5、MAC のレベル3。 種類が指定されていません
泊まる
[編集]周辺
[編集]ミュンヘン空港の交通手段 |
終点 ← | 西 東 | → ミュンヘン |
終点 ← | 西 東 | → ミュンヘン |
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