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提供:ウィキボヤージュ
エーゲ海地方
アッソスにある、エーゲ海を見下ろすアテナ神殿

美しい海と心地いい夕風そして雄大に沈む夕日の地、トルコエーゲ海地方トルコ語)は、ギリシャの弧状の島々の向かい側にある海岸地方と、隣接する内陸部を含む西部地方を指します。

都市

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地図
エーゲ海地方の地図
パムッカレ石灰華段丘
  • 1 イズミル Wikipedia上のイズミル — トルコ第三の都市は、賑やかな港で、この地域の中心都市です
  • 2 アッソス — 古代より歴史がそのまま保存された、海にそびえるアテナ神殿をはじめとした村
  • 3 アイワルク — 東地中海建築が特徴の美しい町
  • 4 ベルガマ Wikipedia上のベルガマ — 古代ペルガモンの大きな遺跡は必見
  • 5 ボドルム Wikipedia上のボドルム — テンプル騎士団が建てた城と祭りで知られる今時なリゾート地
  • 6 チェシュメ Wikipedia上のチェシュメ — 西に延びた半島にある歴史街兼ビーチリゾート
  • 7 ダトシャ — 手つかずの町ダトシャの近郊には古代都市クニドスがあり、エーゲ海と地中海の境界を島しています
  • 8 デニズリ Wikipedia上のデニズリ世界遺産ヒエラポリス=パムッカレと近くの古代遺跡への足掛かりとして人気
  • 9 クシャダス Wikipedia上のクシャダス — 孤島の城塞があるリゾート地で、地中海のクルーズを歓迎しています

知る

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エーゲ海の美しい村—シーリンジェ

トルコのエーゲ海地方では、ヤシの並木道と自由な雰囲気の近代都市もあれば、20世紀初頭の新古典主義建築が軒を連ねる旧市街、それに地中海の大国の古代遺跡など、様々な景色が次々と訪れます。豊かな渓谷や丘陵地帯を借景した、絵に描いたような村の数々や大規模なオリーブ農園が目に入り、トルコが世界有数のオリーブオイルの生産国であることを思い出させます。アリストテレスからホメロスまで古代の芸術や哲学の多くが、この海岸沿いの都市でワインと蜂蜜を口にして発展したのも不思議ではありません。

ローマ時代、エーゲ海のトルコや中央アナトリアなどは、アジアを構成する地域でした(後述する「7つの教会」に由来)。いつしかこの名称は東に延びた大陸全域を指すようになりました。

地中海性気候で、夏は乾燥しているものの暑く(日中30~35℃前後で、降雨は月に1~2日ほど)、温暖な過渡期があり、冬は温暖で多雨です(日中10~15℃前後で、降雨が月に8~16日程度)。しかし、もちろん地方内でも各地で気候の差はあります。内陸の都市では寒い冬が訪れ、雪が降ることもあります。

話す

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ご存じの通り、トルコ語がこの地域の主要言語です。かつてはクレタ島出身のギリシャ語を母国語とする人々が沿岸部で多数を占めていましたが、1980年代以降、クレタ島とのつながりは言語的なものよりも民俗的なものとなっています。

観光業はこの地域の主要産業のひとつで、英語ドイツ語などを話せる人は、ごく普通に見つかるはずです。

着く

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  • 観光地化された町のほとんどは、イスタンブールなど国内の中心地となっている都市から直通バスで訪れることができます。
  • この地域の主要空港は、イズミルボドルムダラマンにあります。国際便の数はほとんどなく、頻繁に国内線が飛び立っています。
  • イズミルボドルムの地域にあるほとんどの大型ホテル、ツアーオペレーター、レンタカー会社が利用できます。
  • 海岸沿いの大きな町は全て最寄りのギリシャの島々とフェリーで結ばれています。
  • この地域の鉄道網はイズミルを中心としています。

移動する

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観る

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ケルスス図書館

エーゲ海はトルコの中でも最も古代都市が集中している所ですが、ギリシャのアイオリスやイオニアに加えて地元のリディアやカリア人の活動拠点であったことを鑑みれば、驚くこともありません。10数キロメートルおきに遺跡に出くわすことすらあります。エフェソス公会議で知られたエフェソスのように、地中海沿岸でポンペイに次いで最も保存状態の良い古代遺跡もあれば、大理石の柱が崩れただけの遺跡もあります。エフェソスのほかにも、アッソス、ペルガモン、ミレトス、ディディマなどなど、この地域を訪れる多くの旅人が目的地に選ぶであろう遺跡が並んでいますが、サルデスや世界遺産のアフロディシアスなど、見落とされがちな遺跡も素晴らしい価値があります。その上、まだ人が住んでいる都市や町のほとんどが現代版古代都市ですので(結局のところ、この地域で3000年より若い歴史を持つ都市を見つけるのは難しい)、イズミルのような現代的な外観の都市でも、古代文化の見え隠れする予期せぬ断片を見ることができます。

次から次に古代都市を訪れて疲れたら、トルコの一部地域で知られる中世セルジューク朝やオスマン帝国の建築を探すのも面白いかも知れません。しかし、1919年から1922年にかけてのギリシャ・トルコ戦争(トルコでは独立戦争と呼ばれます)の末に撤退するギリシャ軍が行った焦土化政策により、エーゲ海の多くの町は瓦礫と化しました。それにもかかわらず、例えばイズミルの南東に位置する内陸の村・ビルギはその破壊を免れ、各面がカラフルに塗られたÇakıroğlu Konağıという3階建ての邸宅などは建築ファンにはたまらないでしょう。また、君侯国時代(13世紀にモンゴルの侵攻によってセルジューク朝が弱体化した後勢力を伸ばした)にまで遡る、セルジューク朝とオスマン帝国の間の移行期に作られた独特な様式を持つ不思議なモスクも訪ねることができます。新古典主義のファンには、オスマントルコ時代のギリシャ人居住地であった海岸沿いの町にそのまま残された新古典主義建築がおすすめです。

長年にわたる戦争と侵略の歴史は、結果的にこの地域の景観において城や城塞を欠かせないものにしました。ボドルム、クシャダス、チェシュメにある城はどれも町の象徴であり、また海岸沿いの村チャンダルルにある小さな城も、手入れされた芝生に囲まれた周辺地域の見どころの一つです。しかし、本当に印象的で、もっと人里離れたところにあるものをお求めならば、何世紀にもわたりアジア最西端に堂々と建つババカレ(父なる城)を目指してください。

7つの教会

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する

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岩だらけの海岸線が続くこの地方では、海水浴の場所探しはさほど大変ではありません。例えばアラチャトゥの海はウィンドサーフィンにもってこいです。

地中海性気候であり、緯度がヨーロッパの他の地域よりも南であるため、ウィンタースポーツを楽しんでいる余裕はあまりありません(沿岸部では、降雪は10年に一度で、しかもほんの僅かです)。イズミルの雪に飢えた人々は、降雪を目撃するために隙あらばマニサ近くのスピル山に集いますが、この山は本当にスキーや他の雪のスポーツをするのに向いていません。そういったことをしたいなら、もっと内陸に向かいサリフリとオデミシュの間にあって古代トモーロス山(Τμῶλος)とも呼ばれるボズダグ山(Bozdağ Dağı)の方がいいでしょうし、この山なら季節に関係なく湖の景観によって非常に美しいでしょう。

温泉に関しては、エーゲ海地方は他の地域と比べるとあまり知られていません。ここで特筆すべきは、天然の岩の水溜の中に海底から湧き出る温泉があるIlıcaと、数千年もの間ずっと使われてきた温泉の底に倒された古代の柱の中で泳ぐという独特な体験ができる(おそらくはIlıcaより名が知られているであろう)ヒエラポリス=パムッカレです。

食べる

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飲む

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出かける

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海と太陽、そして古代都市だけでは飽き足りない貴方には、南東の地中海地方をおすすめします。