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アンドラ

アンドラは山がちな小国で、ヨーロッパ西部フランススペインを隔てるピレネー山脈(英語)にあります。美しい山の景色とひなびた村は観光客を惹(ひ)きつけ、人々は主に近隣諸国から買い物とスキーを楽しみに、また租税回避地(タックス・ヘイヴン)を得るため、銀行業務の処理に集まります。

都市[編集]

地図
アンドラの地図
Map of アンドラ

知る[編集]

アンドラ
アンドラの旗
アンドラの旗
人口 85,101Wikidataでこれを編集
面積 468 平方キロメートルWikidataでこれを編集
言語 カタルーニャ語Wikidataでこれを編集
通貨 ユーロWikidataでこれを編集
電気のプラグ シュコーWikidataでこれを編集
国際電話番号 +376Wikidataでこれを編集
時間帯 中央ヨーロッパ時間Wikidataでこれを編集
緊急電話番号 112番 110番(警察) 116番(救急隊) 118番Wikidataでこれを編集
車両の通行側Wikidataでこれを編集
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歴史[編集]

1278年から1994年まで715年にわたり、アンドラの人々は独得の政治構造のもとで暮らし、フランス国王とスペインの Urgell の主教のふたつの主が存在しました。1993年、名目上の元首を維持したままこの封建制度を改革し、政府は議会制民主主義に変貌しました。フランスの領有権の主張はフォワ伯爵時代にさかのぼり、伯爵領は16世紀、フランス王の座についたナバラ王に譲られています。フランスは第一共和党政権時代にいったんは主張を放棄しながら、共和党政権下ではナポレオン時代から継続的に領主の立場を行使してきました。山岳地帯に位置し、孤立した時代が長く経済水準が伸びなかったアンドラでしたが、第二次世界大戦後に観光産業によってかなりの繁栄を遂げています。所得税がない租税回避地でもあり、経済が栄えて多くの移民労働者(合法および違法)を惹きつけています。

経済[編集]

アンゴラの経済規模はささやかでも実質は裕福で、その基盤となる観光産業は GDP のおよそ8割に貢献しています。年間の来訪観光者数は概算で9百万人とされ、免税国であること、夏と冬それぞれのリゾートが魅力です。隣接するフランスおよびスペインの経済が欧州連合(EU)に解放された結果、流通する商品群が拡大し関税が実質的に引き下げられると、従来、アンドラが享受した利点は薄れました。銀行業は「租税回避地」の地位を保ち、アンドラの経済に有意な影響を与えています。農業は限定的で—耕作ができる面積は国土の 2% —食品のほとんどは輸入に頼っています。牧畜業は牧羊が第一で、工業製品はタバコ、葉巻、家具が中心です。EUの関税ユニオンの加盟国であり、工業製品の取引に関してはEUの加盟国(関税免除)、農産品では同非加盟国待遇です。

電力事情[編集]

電力は50 Hz、電圧は220Vから230Vで給電します。コンセントはヨーロッパ標準 CEE-7/7「シュコー」型(Schuko, Schutzkontakt)または共通型の CEE-7/16 「ユーロプラグ」型Europlugが適合します。

着く[編集]

自然の景観がこの国の最大の宝。
12世紀の教会。エスグレシア・デ・サン・ミグエル・デンゴラステルス。

国土が山がちであるため、アンドラに通じる道路はフランス側から1本、スペイン側からよく利用される道路も1本に絞られます。国境を越える地点は、その経路上の2箇所になります。

アンドラ入国に査証(ビザ)は不要です。ただしスペインかフランス経由でしか入国できないため、アンドラに着く前にシェンゲン地域を通過します。事前に入域の条件(英語)を確認してください。

EU 域外から訪問する旅行者には、アンドラはシェンゲン協定に加盟していない点にご留意願います。つまりフランスなりスペインなりからアンドラへ出てしまうと、理論上は一次ビザは無効になります。ただ国境管理ではこれを強制していません。

飛行機で[編集]

アンドラには空港がないため、最寄りの空港というと1 en:La Seu d'Urgell空港 外部リンク (LEUIATA) (アンドラ国境から南へ12km、スペイン国内)。 「カタロニア政府の所管する空港で、チャーター便が不定期に飛ぶ。 アンドラ=ラ・セウ・ドゥルジェイ空港 (Q3773364) on Wikidata Wikipedia上のen:Andorra–La Seu d'Urgell Airport

大規模空港で最も近いところをあげます。

ペルピニャン(英語)PGFIATA)(フランス)東へ128 km (80 mi)、空港連絡バスはありませんが、鉄道(イエロートレイン)で La tour de Carol 経由 l'Hospitalet に着きます。

トゥールーズ・ブラニャックTLSIATA)(フランス)北へ196 km (122 mi)、空港連絡バスまたはタクシーを予約するには、トゥールーズのシーリフト Sea-Lifts(英語)を利用すると空港間で拾って、アンドラ国内のリゾートまで送ってくれます。

バルセロナ・エル・プラット(英語)BCNIATA)(スペイン)南へ202 km (126 mi) 。

ヘリコプターで[編集]

アンドラ・ラ・べリャ、ラ・マサナまたはアリンサル・ヘリポートに着陸するフライトは、トゥールーズもしくはバルセロナの空港を離発着。機体は定員5名、所要時間は1時間足らず。料金は€2500

詳細は運行会社 Heliand[リンク切れ] の公式サイトで確認してください。

鉄道で[編集]

ヨーロッパ全土で島国ではないのに、独立国ながら一度も鉄道を引かなかったのはアンドラだけです。国内に鉄路も駅舎もないとは言え国境近くに隣国の鉄道駅があり、バルセロナ、ペルピニャン、トゥールーズ方面と連絡しています。パリとは直通寝台列車で結ばれます。

  • 2 Gare d'Andorre-L'Hospitalet (2008年までの旧称:L'Hospitalet-près-l'Andorre)。 「名称にアンドラ(ジャンドラ)と付いていても、駅はフランス領内にある。国境からおよそ3 km (1.9 mi)。トゥールーズ・マタビオ駅発(英語)の定期運行は1日6本(2時間半€23.40。)アンドラまで連絡バスが運行するが、時間は不明。終バスは 19:45 発と見られ、もし鉄道が延着すると足止めされてしまう。 Gare d'Andorre-L'Hospitalet (Q2187825) on Wikidata Wikipedia上のen:Gare d'Andorre-L'Hospitalet
  • 3 Gare de Latour-de-Carol-Enveitg (カタルーニャ語:La Tor de Querol-Enveig) (en:L'Hospitaletからおよそ20 km (12 mi))。 「この駅はフランス領内にあるもののスペイン国境にも近い。路線3本の終着駅。郊外列車 R3 線、始発はバルセロナ・サント(英語)(1日4本、3時間€11.20)。トゥールーズ始発の線(1日6本、3時間€26.10)は L'Hospitalet にも停車(30 分)、ペルピニャン(英語)駅で狭軌の鉄道線に乗り換え(平日2本、週末3本、所要時間4–5時間€27.20)(乗り換えはVillefranche Vernet les Bains。)L'Hospitalet では Latour-de-Carol 行きのバスが連絡。 Latour-de-Carol-Enveitg station (Q2158378) on Wikidata Wikipedia上のen:Gare de Latour-de-Carol-Enveitg

フランス国鉄、通称SNCFはロスピタレ=プレ=ランドール(別称 Andorre-L'Hospitalet-SNCF または L'Hospitalet)からアンドラ国境を越えた最初の街まで、1日1便のバスを運行(TER ミディ・ピレネー駅09:35発、26 分、€3.20、SNCF 割引あり)。その街とはショッピング天国となるはずだった パ・デ・レ・カザ(英語)で、そこからアンドラ・ラ・ベリャまでは本数の多い路線バスで移動します(料金€5.85)— 30 分間隔、運行会社はコオペラティバ・インテルウルバナ Cooperativa Interurbana(+376 806 556, 内線4)あるいはイスパノ・アンドラナ cia Hispano-Andorrana[リンク切れ](+376 807 000)。ぜひチェックしましょう!

イスパノ・アンドラナ[リンク切れ]バス(英語)は鉄道駅 L'Hospitalet とアンドラ・ラ・ベリャの間に直通バスを1日2便運行し、途中で数ヵ所停車します。大人料金€8

フランスからアンドラの最寄り駅まで鉄道で移動しバスでアンドラに着くには、フランスからのバス直行便と運賃はほぼ同額です。フランス国鉄 SNCF は割引パスを出しており、カルテ Carte 12-25 あるいはパリ発の寝台車乗車券に付いてくるパスなどがあります。26歳以下でオフピーク時間帯に同社の車両に乗車するなら誰でも一律 25% の料金割引を受けます(「Découvert 12-25」。)

バルセロナを出発点とすると、鉄道・バス乗り継ぎは直行バスよりもかなり割安です。ただし乗り継ぎが2回あり、ラトゥール・デ・カロル Latour de Carol の次は L'Hospitalet で乗り換えます。

ご注意:鉄道駅 L'Hospitalet 近辺は人家がなく、駅員は常駐していない上に駅舎は鎖錠されて待合室に入れないため、冬は特に乗り継ぎに注意が必要です。困ったときはトゥールーズ駅に電話してください。 (Tel: +33 8 91 67 76 77)。

車で[編集]

アンドラの道路事情は一般に良好です。スペインから入る道路は比較的、直線に近いですが、対するフランス側からだとヘアピンカーブが多出して気を遣います。どちら側も入国審査で国境管理官と揉めることはほぼありません。停車を求められる事も少ないとはいえ、いつでも停止できるスピードまで減速してください。アンドラから出国するときは必ず停車します。交通量が多い時間帯は待たされる覚悟で並びましょう。ガソリンの値段はフランスやスペインよりもアンドラの方が安い場合が多く、アンドラを去る前に満タンにしておくのは賢い選択です。

道路については、海岸地域よりも標高が高いアンドラでは低温により、道路面の凍結(英語でブラックアイス)、地吹雪(スノードリフト)に用心してください。乗る車の整備状態を確認しましょう。

フランス側から入国すると、全長2.9 kmの有料トンネルTunel d'Envaliraを通ります。支払いはクレジットカードかデビットカードのみ。料金は季節で変わり、以下に冬季料金と、カッコ内に春夏秋の料金を示しました。

  • 乗用車 €5.60€4.80
  • その他 €16.70€10.70

ここで言う冬季とは、12月1日から翌年の3月31日までを指します。


時には豪雪により、フランス側からの道路が雪崩回避のため封鎖されることがあります。同じアンドラでも、道路事情は北の Pas de la Casa の山間と、南とでは大きく違うことを覚えておいてください。

レンタカー 一般のレンタカー会社は〈街なか〉に本社を置き、実際に車を借りる事務所は静かで人の気配がしないかもしれません。そこで事前にオンライン予約しておくと安心だし、当日、借りるよりも割引があるはずです。

  • 例年、11月から翌年の4月までは冬タイヤかチェーンの装着、あるいはチェーンを車に積むことが義務化されています。これを守らず雪が降っているときに車を出そうとしても、走行を禁じられます。スキーリゾートへ通じる連絡道路に警察が検問を張り、違反者の摘発に当たり、山岳地帯では CS-311 の峠道や Pas de la Casa から奥に入るあたりで取り締まりを行います。

致命的な事故を起こし、過失があると見なされた運転者は常に裁判にかけられ、通常は投獄されます。

タクシー タクシー・ジョセップ(Taxi Josep Tel: 376 323111)はメルセデス・ベンツを配車、ドライバーは多言語が話せます。タクシー・ドメネク・セグラ(Taxi Domènec Segura Tel: +34 636 490 685)はマイクロバスを配車できるものの、英語もフランス語も話せません。どうしてもマイクロバスが必要な場合は、タクシー・ジョセップ経由でタクシー・ドメネク・セグラの車を回してもらうよう、交渉は可能です。料金は現金のみ。

タクシー・バッラスは近距離専門です(Taxi Barras +376 323743)。

バスで[編集]

アンドラ国営のウェブサイト Mobilitat.ad にバス路線網の概要がまとめてあります。残念ながらカタルーニャ語版のみですが、国内と国外からのアクセスを示しています。

長距離高速バスの発着は多く、スペイン発着は便数が多いバルセロナのほかジローナ(英語)、マドリード(英語)、マラガ(英語)、リェイダ(英語)、バレンシア(英語)とも結んでいます。

フランス発[編集]

トゥールーズ・ブラニャク空港発アンドラ行きのバス。

トゥールーズがメインの玄関口です。

Andbus(旧称Novatel)はトゥールーズ市内のバスターミナルのマタビオ Matabiau からトゥールーズ・ブラニャク空港行きを走らせます(所要時間はどちらも3時間、料金€35)。トゥールーズ空港では、到着ターミナルビルB、ドア番号Bの前に停車します。

フランスとの国境を越えて3km先の L'Hospitalet、スペイン側にはアンドラ国境から20km先にある Latour-de-Carol(スペイン語で La Tor de Querol)にも、長距離高速バスが発着します。ただし早朝に鉄道を利用してトゥールーズもしくは Latour-de-Carol からアンドラに近い Gare d'Andorre-L'Hospitallet 駅で降り、路線バスでアンドラに入る計画はお勧めできません。地元バスは SNCF の始発が到着する30分前に発車してしまいます。鉄道からバスに乗り継ぐなら時間帯はしぼられますが、毎日運行のトゥールーズ発に乗ると、アンドラの最寄駅 Gare d'Andorre-L'Hospitallet 到着が 19:21、地元の路線バスの発車予定時刻は 19:45 です。この路線バスはアンドラ国民向けに、アンドラからトゥールーズ駅もしくは Latour-de-Carol 駅を経由してフランスもしくはスペイン各地へ鉄道で向かう旅客を対象にしています。最寄駅の Gare d'Andorre-L'Hospitallet からタクシーで Pas de la Casa まで行くこともできます(料金は上限で€30。)

スペイン発[編集]

バルセロナからアンドラの最寄り駅まで、鉄道の停車駅にもよりますが3時間15分から4時間と見込まれます。

ノバテル(Novatel)もアンドラからバルセロナ(英語)の空港まで(料金は€32)、またジローナ(英語)のバスターミナル行きと空港行きも利用できます(どちらも所要時間およそ3時間半、料金は€32。)

ユーロライン(Eurolines)はバルセロナ空港(ターミナルビルBの外)発バルセロナサント駅経由でアンドラへ到着。ただしバス停には早めに行って待つのがおすすめで、停車時間が短く、早く着いてもドライバーは定刻前に発車することが多いからです。乗車時にドライバーにパスポートを見せるよう求められます。

アウトカルス・ナダル(英語)もアンドラとバルセロナの市内と空港を結びます。

アルシナ・グラエルス(Alsina Graells)はバルセロナ発を1日8便運行しており、料金は片道€23、往復€40です。

ALSAはバルセロナ–アンドラ便を毎日走らせ、バルセロナ・ノルド駅 Barcelona Nord から発車します。チケット制です(片道€29、往復€55。)

移動する[編集]

エンバリーラ峠 Envalira

アンドラで2泊以上するなら、路線バスを利用すると主だった村を簡単に訪問できます。会社名は Cooperativa Interurbana Andorrana, S.Aです。

主な系統は合計8本でリニエス「línies」と呼ばれ、アンドラ・ラ・ベリャに停車します。バス運賃は距離制で、片道€1.85から€6.10です。ドライバーは釣り銭を持ってます。アンドラ・ラ・ベリャの周辺ほど便数が多く発着も定時に近く、日中ならだいたい10分間隔で来ます。カノリク Canolic など郊外へ足を伸ばすなら、1日に2、3便しかありません。

路線の一覧:

  • L1 Sant Julia de Loria - アンドラ・ラ・ベリャ / エスカルデス・エンゴルダニ
  • L2 アンドラ・ラ・ベリャ - アンカム
  • L3 アンドラ・ラ・ベリャ - アンカム - Soldeu
  • L4 アンドラ・ラ・ベリャ - アンカム - Soldeu - パ・デ・レ・カザ
  • L5 アンドラ・ラ・ベリャ - ラ・マサナ - アリンサル
  • L6 アンドラ・ラ・ベリャ - ラ・マサナ - オルディノ
  • E(express)サン・ジュリア・デ・ロリア - アンドラ・ラ・ベリャ / エスカルデス・エンゴルダニ

夜行バスもあり、便数は少ないです。

  • Bn1 アンドラ・ラ・ベリャ - サン・ジュリア・デ・ロリア(英語)(60分間隔)
  • Bn2 カニーリョ - アンドラ・ラ・ベリャ - カニーリョ(120分間隔)
  • Bn3 オルディノ - Arsinal - アンドラ・ラ・ベリャ - オルディノ(90分間隔)

話す[編集]

アンドラは世界で唯一、単独の公用語にカタルーニャ語(英語)を採用しています。道路標識はカタルーニャ語表記ですし、ほんの少し覚えてみるのも良いでしょう。地元の人のほとんどはスペイン語も話せるし、フランス語とポルトガル語(英語)もかなり通じます。訪問を予定しているなら、ごく基礎的なスペイン語会話を覚えておくことをお勧めします。英語はホテル以外ではほとんど通じません。バスやタクシーの運転手、お店の店員その他、サービス業で働く人のほとんどは英語では話が通じません。

買う[編集]

通貨と為替[編集]

eurosの為替レート
  • アメリカドル $1 ≈ €0.95
  • イギリスポンド £1 ≈ €1.1
  • オーストラリアドル $1 ≈ €0.64
  • カナダドル $1 ≈ €0.7
最終更新日:24 2月 2023

為替レートは変動します。これらおよびその他の通貨の現在のレートはXE.comを参照してください。

テンプレート:Euro

買い物[編集]

アンドラ・ラ・ベリャ(英語)は租税回避地であるため、免税店(英語)の品揃えは例えば香水やタバコ、酒類に人気があります。一年を通じて首都には大勢の買い物客が自家用車で国境を越え、スペインやフランスからやってきます。

観る[編集]

9世紀のキリスト教の聖コルマ教会。国内最古といわれる。
アンドラの山の斜面はゆるやか。冬のスポーツでは初心者に人気のリゾート。

この国の主な魅力は、一見すると規制のない開発に脅かされているように見えても今でもその雄大な山岳風景にあり、季節ごとに壮麗な景色を楽しめます。標高が高くて夏は涼しく、緑のうっとりするような谷は、素晴らしいハイキングの条件を整えています。健脚なら高地に上が利、ハイキングで1日を過ごすと本当に思い出に残る景色へとさそわれます。国内唯一のユネスコ世界遺産(英語)であるマドリウ・ペラフィタ・クラロル渓谷 Madriu-Perafita-Claror を見落とさないでください。人の手が入らないこの地域には徒歩でしか近づけず、重要な野生生物保護区の森と草原には羊飼いの小屋がぽつりぽつりと立っています。冬には国の大部分で雪が積もり、夏の高山の景色から、やはり同じように美しいさまざまなウィンタースポーツの舞台へと変貌させます。

この小国にはまだまだ見所があります。石畳の通り沿いにたたずむ何世紀も前の古民家、中世のロマネスク様式の教会や礼拝堂に彩られた素敵な歴史的な村落がたくさんあります。伝統文化を経験してみたいなら、オルディノ(英語)、サンタ・コルマ・ジャンドラ Santa Coloma d'Andorra(国内最古の建造物で9世紀の教会の本拠地)、サン・ジュリア・デ・ロリア(英語)がお勧めです。国の守護聖人メリチャイの聖母をまつった聖堂は、カニーリョ Canillo からアンカム Encamp の村へ向かう途中に立っています。本来の立像は1972年の火災でいたんだものの、優れた複製品が拝観でき一見の価値があります。民族舞踊を見たいなら、レス・エスカルデス(英語)訪問が適しています。

首都のアンドラ・ラ・ベリャの第一印象は、交通量が多く店が多いように見えるかもしれませんが、実際にそうとも言えます。しかし、もう少し深く観察すると、聖ステファノ St. Stephen に捧げた11世紀ロマネスク様式の教会、エスグレシア・デ・サン・エステベ Església de Sant Esteve が立っています。素敵な広場と歴史的な国会議事堂は、街歩きのハイライトになるかもしれません。

する[編集]

スキーリゾート[編集]

元は山間の寒村であったところが、スキーリゾートして開発され、村から村に連結されて現在の姿になりました。スキーパスも隣接する地域で連続して有効です。現在、山地のスキーリゾートは大きく2つに統合され、VallnordGrandvalira と呼ばれます。

Vallnord は Arcalis(フランス語)地区およびアリンサル(フランス語)-パル(フランス語)地区スキーエリアを含みます。前者は後者からかなり離れています。後者はスキー場2カ所をケーブルカーで連絡してあり、玄関口のラ・マサナ(フランス語)の街の中心からアクセス可能。スキーゲレンデの総延長は93 km(58 mi)です。

GrandvaliraはSoldeu(フランス語)およびパ・デ・レ・カザ(フランス語)を含み、前者の Soldeu スキーエリアはアンカム(フランス語)とカニーリョ(フランス語)からも入れます。Soldeu の街から観光客を分散させる賢明な対応で、ゲレンデの総延長は193 km、標高は1710–2640 mです。市街地の標高は 1.926 H前後、下記の6地区に分かれます。

  • パ・デ・レ・カザ(フランス語)—フランス国境のあるスキーリゾート。
  • Soldeu (フランス語)—スキーリゾート
  • Arcalis (フランス語)—頂上のEl Serratから続く谷沿いのスキーエリア
  • アリンサル (フランス語)—アリンサル=パル・スキーエリアに属するスキーリゾート。別称「北の谷」を意味する Vallnord。
  • パル (フランス語)—アリンサル=パル・スキーエリアに属するスキーリゾート。
  • アリンサル=パル -- ケーブルカーで2つのスキーリゾートを連絡。詳細は アリンサル (英語) と パル (英語) を参照。

La Rabassa はクロスカントリー(ノルディック・スキー)のメッカで、アンドラの南部、麓の町は Sant Julia de Loria。


ハイキング、トレッキング[編集]

夏のアンドラの渓流

アンドラの山荘の詳細情報は、このサイトにアクセスしてください。 靴はサンダルではダメなのでそれなりの靴を荷物に入れ、携帯しか入らないバッグよりも荷物が入るバッグを必ず持参してください。

マルヒネダ橋は、14世紀から15世紀にかかり、速い流れはグランバリラ川。(アンドラ、サンタコロマ)

アンドラはハイキングに最適な場所です。出発点は、コマペドローサ(Coma Pedrosa、2,942 m/9,652 ft)と Pic de Médécourbe(2,914 m/9,560 ft)の 両峰の麓にあるアリンサルの町です。

  • アリンサル 発(1,500 m) - Pic de Sanfons(2,888 m/9,475 ft、4時間45分、登り1,310 m/4,298 ft、山小屋の下まで中級、山稜は難所あり。)Coma Pedrosa、Tor 渓谷から Baiau 湖(スペイン)の眺め、Pallars 山地が臨める。経路上に山小屋と湖がある。駐車場のある Torrent Ribal へは1,580 m(5,184 ft)。
  • Pic de Médécourbe 2,914 m(4時間30分、登り1,335 m/4,380 ft、山小屋の下まで中級、山稜に向かって上級者向け。)とにかく最高! 山小屋は5合目にあり、湖や渓谷づたいに アリンサル、Boet、Vicdessos(フランス)と息を飲むほどの景観が広がる。駐車場のある Torrent Ribal へは1,580 m(5,184 ft)。山頂はアンドラ西方のアンドラ、フランス、スペイン3ヵ国の国境交差点。
  • Pic de Coma Pedrosa 2,942 m(4時間30分、登り1,370 m、湖まで中級、山稜は難所あり。)アンドラの最高峰。山小屋5合目、湖。周辺の峰々と アリンサル渓谷が見渡せ、西側に Maladeta と Ecantats の山塊が控える。駐車場のある Torrent Ribal へは1580 m。
  • Montmantell の湖水群と Pic del Pla de l'Estany 2,859 m(4時間20分、登り1,280 m、中級)。山小屋は5合目、湖、フランス側に Ariège 山脈の壮大な眺望と、アンドラの景観。駐車場のある Torrent Ribal へは1580 m。
  • アリンサル - Percanela - les Fonts - Pla de l'Estany - アリンサル巡回路2,055 m(4時間30分、登り670 m、中級)山小屋2軒。右回りも左回りも可能、とても快適な巡回路。Les Fonts の圧倒的な自然景観から Coma Pedrosa へと視界が広がる。途中にボルダ(bordas 農家)を数軒通過するが、リフォームしたもの、廃屋などがある。駐車場のあるアリンサルへは1,466 m。
  • Camí del coll de les Cases 1,950 m(1時間40分、登り490 m、中級)オルディノ山からラ・マサナへとパノラマで景色が楽しめる。ピクニック、自然の中の瞑想に最適。GR11 に進むと Arans まで足を伸ばせる(駐車場のある Mas de Ribafeta へは1466 m)が、帰路は公共交通機関がないので自分で手配が必要。

スパ[編集]

著名なカルデア Caldea はアンドラ・ラ・ベリャにあるスパと水泳プールの複合施設。とても人気があります。この一帯でいちばんの高台にあり、また大きなガラスの尖塔を備え、スカイラインにくっきりと浮かぶ非常に魅力的な建築を見落とすことはありません。

食べる[編集]

アンドラの通りはカフェやレストランが軒を連ねる

アンドラの郷土料理として、Escudella De Pagesがしばしば紹介されます(カタルーニャ風農家のスープ、フランス語で Escudella i Carn d'Ollais)。ときには香辛料をきかせた大きなミートボール「ピロタ」を添えます。

飲む[編集]

バルセロナから輸入されるビールの銘柄エストレラ・ダム Estrella Damm は全国どこでも提供しています。アンドラ限定の飲み物を探すには、少し手間がかかります。

  • ワイン。 「アンドラ産の葡萄の品種はピノノワールが中心。
  • アルファ醸造所 Alpha Brewery。 「アンドラ国内唯一の醸造所で、数種類のビールを作っていますが、一般の酒類小売店では買えません。小規模な土産店や、観光客専門のビジネスで探してみてください。

泊まる[編集]

著名な5つ星ホテルチェーン、フォーシーズンズやフェアモント、インターコンチネンタル、マリオットなどはアンドラに来ていません。4つ星のベストウェスタンもありません。世界クラスの名の通ったホテルチェーンでは、ホリデーイン(アンドラ・ラ・ベリャ)とアイビス(エスカルデス・エンゴルダニ(アンドラ・ラ・ベリャの東隣)が進出しています。国内のホテルはそれぞれ経営が独立しており、地元の観光局が格付けする「4つ星ホテルクラス」のサービスや質は他の目的地の水準に達していません。

働く[編集]

アンドラで終了するには、政府発行の労働許可証が必要です。数日間、仕事の出張で訪問する場合はこの規定の対象ではありません。

安全を確保する[編集]

アンドラでは他人に危害を加えられる心配はほとんどないものの、山地では注意して行動してください。高山病の予備知識がないのに、いきなり高地に登るのはやめましょう。詳細は高山病(英語)のページを参照してください。

車を運転する人は、ピレネー山脈のスペイン側で天気が一日中よく晴れた日は、夜になって路面温度が急激に下がった場合、フランス側へ山越えをしないように警告されています。日中に溶けた氷が夜間に凍りつく路面凍結の恐れがあるからです(英語で black ice)。ピレネー山脈のフランス側は、アンドラやスペイン側とはしばしば気象条件が大きく異なります。できれば夜間の急激な気温低下を避けてスペインやアンドラで宿泊しましょう。早朝の低温なら、運転で予期するべきリスクは限られているし、危険度も夜間ほどではありません。冬季の自動車の運転はさらに危険が増し、速度制限、道路標識に書かれた規制事項を守らないと、山道はただでさえ狭いし、鋭角のカーブが連続し、勾配が厳しいのです。11月1日から5月15日まで、道路規制法で冬用タイヤの装着もしくは雪路用のチェーンの携行を義務付けられています。違反すると警察に罰金€180を請求されます。

健康を維持する[編集]

主な病院はメリチャイ病院 Meritxell Hospital です。(+376 871 000)。

水道水(英語)はそのまま飲めますが、遠隔地からの訪問者は地域の微生物やミネラル分に慣れるまで、最初はお腹がゆるくなる人もいます。旅先ならどこでも、ペットボトルの水がいちばん安心です。

尊重する Respect[編集]

アンドラはスペインにもフランスにも属していません。そういう発言は地元の人の神経を逆撫ですることがあります。

繋がる[編集]

携帯電話、スマートフォン[編集]

アンドラの携帯電話サービス企業は EU のローミングのゾーンに未加盟のため、うっかり高額の通信費を請求されないよう、入国したら携帯電話やスマートフォンの電源を切りましょう。事前にアンドラでのローミングチャージが組み込まれた料金プランであれば心配ありません。アンドラ滞在中に地元の SIM カードを買うなら、アンドラ・テレコム Andorra Telecom の商品で額面料金 €15、通信料€15はチャージ済みです。これならデータ通信量1.5 GBは足ります。

インターネット[編集]

アンドラはインターネットを両手で歓迎し、全域で接続状態は良好です。固定電話の契約件数とプロバイダ契約件数はほぼ同数と言われています。無料の公衆 WiFi は大きな街なら一部で利用でき、またレストランの多くは WiFi を導入しています。

郵便配達[編集]

個人宅に郵便受けが2つ。La Massana(英語)にて。

アンドラの特徴の一つに、自国の郵便集配機関がない点が挙げられます。代わりに東西の隣国フランスとスペインの国営郵便に便乗しています。街頭で郵便受けが家1軒に2つ備わっているのを見かけますし、よく観察すると、片方は「Correos」(スペイン)、もう片方は「La Poste』(フランス)と示しているはずです。いずれも集配の本局は Andorra La Vella にあります。

フランスの郵便局(Correus francesos )の所在は、Carrer de Bonaventura Armengol、開局時間は通常、平日08:30-14:30、土曜09:00-11:59です。Tel: +376 820 408。

スペインの郵便局(Correus espanyols )の開局時間は平日08:30-14:30、土曜09:00-12:59です。Tel: +376 820 257。

出かける[編集]

  • Latour-de-Carol - ペルピニャンに向かうオープンカーのル・トラン・ジョーヌ Le train jaune(フランス語)イエロートレイン(英語)の最初の停車駅。同じ TER 鉄道 22 番ルートのロスピタレ=プレ=ランドールにも停車します。