コンテンツにスキップ

地図情報源
フルスクリーンでマップを開く
提供: ウィキボヤージュ
粤東

粤東(えっとう | 中国語: 粤东)とは、中国広東省の東部地域を指します。潮州文化圏とも言い換えられるような地域で、独自の言語(潮州語)と華僑ネットワーク、そして唯一無二の食文化で知られる潮州文化を楽しめます。汕尾を除いた3つの地級市は潮汕地区と呼ばれ、文化的なつながりが強い一方で、汕尾はこれら3都市と比べると比較的に潮州文化の影響が薄くはありますが、それでも美味しい潮汕料理を提供する店がたくさんあるなど、潮州文化は色濃くみられるため、ここでは汕尾を含めた粤東地域を解説します。

都市

[編集]
地図
粤東の地図
  • 1 汕尾  — 海岸沿いにある穴場のリゾート地です。気候も温かく、綺麗なビーチがある南国風の雰囲気ですが、人がかなり少なく、のんびりと過ごせます。
  • 2 掲陽  — 中国の歴史的な部分が好きな人にとっては楽しめる場所です。コンパクトな町なので近くの都市からの日帰り旅行にも適しています。
  • 3 汕頭  — 潮汕地域の経済的な中心地で、潮州都市圏に含まれます。賑わっていますが、海岸を望みながら過ごすひと時は非常に落ち着けて、食べ歩きにもぴったりです。
  • 4 潮州  — この地域の中心地で、潮州料理の本場であり、文化が最も異彩を放っている町です。

知る

[編集]

この地域は世界中、特にタイシンガポールマレーシアなどの東南アジアの華僑のルーツがあります。全体としてのんびりとした雰囲気で、暖かく、海際で落ち着いたひと時を過ごすのにぴったりです。

気候

[編集]

粤東は亜熱帯モンスーン気候に属し、年間を通じて温暖で、湿度も高いです。華南の湿度の高さは悪名高く、回南天と呼ばれていますが、この地域でもこの現象が著しくみられます。夏は雨が多く、スコールのような突発的で短い雨が降る他、台風の影響も受けやすいです。秋が最も過ごしやすく、気温は20~30℃程度で晴天が続きます。冬は短いですが温暖で、摂氏温度で2桁の日も多いです。

話す

[編集]

他の地域と同じく中国標準語が公用語であるため、若者を中心に多くの人は(それが母語ではないとしても)標準語を十分にしゃべれます。他に客家人もいるため、客家語も一部で話されます。また、ここは広東省の一部であるため、中国語の中でも代表的な一種である広東語も広く話されます。ただし、その多くは母語としてではなく後から学んだ言語として話します。

とはいえ、粤東の最も中心的な言語は潮州語です。潮州語は、広東省の北の福建省を中心に話される閩南語の一種で、閩南語とは部分的に通じ合う部分があります。一方で、標準語や広東語との意思疎通は厳しいです。同じ潮州語でも各都市ごとに若干の差異があり、最も中心的な方言は潮州方言ですが、実際には汕頭の方が話者数は多いはずです。

着く

[編集]

飛行機で

[編集]

鉄道で

[編集]

広州の広州東駅または広州南駅から、甬広高速鉄道を利用して約1時間半で汕尾駅に、約2時間半で汕頭駅に到着します。汕尾駅から乗り換えられる廈深線が掲陽と潮州を経由して潮汕駅までアクセスできます。

香港からは香港西九龍駅から広深港高速鉄道に乗って深圳北駅まで行き、そこで廈深線に乗り換えます。福建からも甬広高速鉄道が利用できます。

移動する

[編集]

鉄道で

[編集]

着く節で述べたように、廈深線が汕尾駅から潮汕駅までを結んでおり、汕尾—掲陽—潮州の間を移動することができます。さらに、潮汕駅からは汕頭駅までの路線もあります。

観る

[編集]

この地域には、代の城壁や歴史的な街並みなどが残っています。また、海際であるため美しいビーチなどもあり、暖かい気候も相まって南国風の雰囲気の海岸でのんびりとすることができます。掲陽には孔子廟をはじめとして伝統的な信仰と文化がしみ込んでおり、こういった部分に興味がある人にとってはとてもいい体験になるはずです。

伝統的な潮劇は重要な無形文化財で、潮州の文化を理解する上で欠かせない要素です。これは潮州語で演じられる古くからの地方戯曲で、華僑によって世界に広まりました。

する

[編集]

買う

[編集]

食べる

[編集]
蠔烙

潮汕料理(中国語: 潮州菜 Cháozhōu cài)は広東料理の一種に数えられるこの地域独特の料理で、華僑の広がりによって東南アジア料理にも大きく影響を与えました。干物や魚醬などが使用される他、煮物料理が多いことでも有名です。地理的に海の隣にあることから、スルメ、魚の干物、ふかひれなどの海産物が使用されます。

フォーの起源とも云われる糧条は潮州料理の中でも代表的なものです。潮州や汕頭を歩けば糧条の屋台は必ずあると言ってもいいほどです。牛雜という牛の臓物にパクチーを含めた野菜などが一緒になって煮込まれた米粉麺の料理で、白く薄い麵は確かにフォーを想起させます。

紅燉魚翅中国語: 红炖鱼翅)はふかひれの煮込みスープで、鶏や豚の骨などからとられた出汁に醤油などで味付けされたものです。

屋台料理では、蠔烙中国語: 蚝烙)もいいです。泉州で生まれ福建省や台湾でよく食べられる蚵仔煎(中国語: 蚵仔煎)に近く、新鮮な生ガキをサツマイモ澱粉水の生地に混ぜて強い火力で焼き上げたものです。潮汕料理ではここにパクチーなどが加えられる他、味付けにはしばしば魚醬が用いられます。

鳳凰単欉というお茶(後述)で有名な潮州市鳳凰鎮が発祥の料理に鳳凰浮豆腐というものがあり、外はカリカリで中はやわらかい、揚げ豆腐のような料理です。フレッシュミントが入っていることと、にんにく醤油やチリソースで味付けして食べることが特徴です。

もちろんご当地天心もあります。潮汕料理では天心(餃子)の皮は米粉(タピオカやさつまいもの粉も)で作られることが多く、スイーツとして食べられます。海外でイメージされる肉餃子などとは程遠いですが、台湾の屋台で売っている皮に包まれたスイーツ(粿)を想像すれば近しいです。実際に台湾で見かける粉粿はもともと潮汕料理です。もう少しスイーツから離れた軽食であれば、潮汕魚餃子という鰻やエソの身を使った餃子があります。

飲む

[編集]

出かける

[編集]

文化でいえば、粤東は福建省、特に閩南に近いです。閩南料理は潮汕料理に非常に近く、共通する部分も多いほか、閩南には粤東にないご当地のお茶もあります。

大都市へ出るのであれば珠江デルタです。この地域は広東省の中でも特に開発が著しく、広州や深圳などの中国有数のスカイスクレイパーとして世界に名を馳せている都市があります。また、「中国の玄関口」である香港マカオもこの地域の近くにあります。

海沿いのリゾートを満喫するのであれば南西の粤西や、さらに進んで海南省へ入ることをおすすめします。

内陸の緑と茶色にあふれた自然を浴びたいのであれば、粤北へ向かいましょう。客家文化が顕著な都市の代表例である梅州は掲陽からすぐです。