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地震

地震は最も深刻な自然災害の一つです。世界規模でも大地震は年に数回しか発生しないため、短期滞在者が地震に遭遇する可能性は非常に低いと言えます。しかし、万が一地震に遭遇した場合、生命が危険にさらされる可能性があります。

知る

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世界中で発生した地震

ほとんどの人は気づかれないような小さな地震は、世界中のどこでも発生する可能性があります。大きな地震は、主に以下の地域で発生します。

これらの地域は収束型構造境界と呼ばれています。ここでは、地球の地殻を形成するプレートが互いに押し合い、引きずられることで、ひずみが蓄積されます。そして、プレートが離れると、このひずみが突然解放され、地震が発生します。

プレートが互いに離れていく場所(アイスランドなど)では、火山などの他の災害に遭遇しますが、大地震が発生することはほとんどありません。

また、地震は津波を引き起こし、何千キロメートルも離れた海の向こう側に大きな被害をもたらす可能性があります。

時には、プレートの境界から離れた場所でも地震が発生することがあります。これらはプレート内地震と呼ばれます。プレート境界で発生する地震に比べて発生頻度ははるかに低く、通常、規模も小さいですが、発生する地域では地震の対策が十分に講じられていないことが多いため、より壊滅的な被害をもたらすことがよくあります。プレート内地震の最も有名な例の一つは、1976年に中国で発生した唐山地震です。

大地震は建物やインフラを破壊する可能性があります。大地震が発生すると、窓ガラスが割れたり、木が倒れたり、物が飛び散ったりする可能性があります。地震が収まった後も油断はできません。地震によって損傷した建物は時間が経ってから、突然倒壊したり、切断されたガス管や電線が火災を引き起こしたりする可能性があります。地滑り液状化現象によって、建物やインフラが移動し、利用できなくなることもあります。道路水道電気通信)などのライフラインが損壊することが多く、通信や救助活動が困難になります。さらに、余震が発生し、さらなる被害をもたらす可能性もあります。

地震大きさの測定方法

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地震は様々な尺度で測定されます。マグニチュードは地震の「大きさ」を表す数値です。震度は「揺れの強さ」を表し、場所によって異なります。震源に近い場所では、遠く離れた場所よりも震度は高くなります。

マグニチュード

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マグニチュードの目安
マグニチュード想定される状況
1.0~1.9微小な地震です。これらの地震は規模が小さく、人が感じることはありません。地面の動きもほとんどありません。地震発生頻度の高い地域では、日常的に発生することもあります。
2.0~3.9弱い地震です。人が感じる可能性は高いですが、被害が出ることはまれです。屋内の一部の物が揺れる可能性があります。
4.0~4.9弱い地震です。周辺地域のほとんどの人が揺れを感じます。軽微な被害が発生する可能性があります。屋内にある物が倒れたり、棚からものが落ちたりする可能性があります。
5.0~5.9中程度の地震です。粗雑な建物は被害を受ける可能性があります。他の建物にも軽微な被害を与える可能性があります。その場にいる誰もが揺れを感じます。
6.0~6.9強い地震です。頑丈な建物であっても、大きな被害が発生します。粗末な構造の建物は倒壊する恐れがあります。震源地から数百キロメートル離れた場所でも、地面が強く激しく揺れます。ほとんどの地域では、マグニチュード6.5以上の海底地震が発生すると津波警報が発令されます。
7.0~7.9大きい地震です。ほとんどの建物が倒壊し、広範囲の被害を受けます。被害と激しい揺れは震源地から最大250kmの範囲に及ぶ可能性があります。
8.0~9.0以上大規模な地震です。広範囲に及ぶ甚大な被害が発生し、建物が全壊する可能性もあります。遠隔地でも激しい揺れを感じる可能性があります。また地盤の地形が変化してしまうこともあります。2011年に日本の東北地方などを襲った壊滅的な地震のマグニチュードは9.0でした。これまで記録された中で最も大きい地震は、 1960年にチリバルディビアで発生したマグニチュード9.5の地震です。

震度

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2011年3月11日に日本で発生した地震の震度の分布を表した地図。

震度は、特定の地域の被害状況や地震の大きさを表すことができます。

改正メルカリ震度階は、アメリカ合衆国オーストラリアニュージーランドで使用されています。震度スケールの値は、I(何も感じない)からIV(軽度の被害が出る、屋内にいる多くの人が感じる)、VIII(深刻な被害が出る、粗悪な建物に大きな被害が出る)、XII(極度な被害が出る、建物は全壊する)まであります。

ヨーロッパでは、ヨーロッパ震度階が使用されています。スケールの値は、I(何も感じない)からIV(多くの人が揺れを感じる)、VIII(甚大な被害が出る)、そして最大はXII(壊滅的な被害が出る)まであります。

日本では気象庁が独自に設定した震度階級が使用されています。震度階級の値は0(何も感じない)から4(耐震構造のない建物に軽微な被害が出る)と、5、6には強と弱があり、7(全ての建物に甚大な被害が出る)まであります。

準備する

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日本にある一時避難場所を示す看板

一般的に、地震がよく発生する地域に住む人々は、揺れが始まったらどう行動すべきかを知っているはずです。地元の人々のアドバイスに従ってください。

地震がよく発生する地域にいる場合は、旅行に関連する書類(チケット、パスポートなど)、現金、その他の貴重品は、避難が必要になった際にすぐに取り出せる場所に保管しておきましょう。ただし、泥棒の目につきやすい場所には置かないようにしてください。また靴はベッドの近くに置いておきましょう。地震によって、ガラスが割れる可能性があるため、避難時は靴を履くことをお勧めします。

また、玄関が倒壊したり、瓦礫や火災で塞がれたりした場合に備えて、脱出方法を調べておくとよいでしょう。ホテルに宿泊する場合は、客室のドアの内側に示されている非常口の場所や避難経路を示した地図を確認してください。非常口は通常、火災発生時に建物から避難しやすくするために設計されていますが、地震による被害で倒壊する恐れのある場合も役立つことがあります。

ものが落ちやすい高い場所、特にベッドの上に重い物を置かないでください。

長期滞在

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地震の危険性がある地域に長期間滞在する場合は、地震に備えた防災セットを準備することをお勧めします。防災セットには、以下のものを用意しておきましょう。

  • 3~5日分の食料と水(1人1日あたり4リットル)、浄水タブレットまたは携帯用浄水器。
  • 救急箱、手袋、ゴーグル、防塵マスク。
  • 非常用トイレ。
  • 重要な書類(パスポート、運転免許証、保険証書など)のコピーと同行者全員の写真(行方不明になった際に捜索する消防などが使用するため)。
  • あなたが救助された場合に地元の消防などがあなたの家族や友人に連絡できるように、緊急連絡先を書いたカードなどを携帯してください。
  • 現金(最低$100、できれば現地通貨)
  • 予備の電池、懐中電灯、電池式のラジオ

さらに、必要に応じて、部屋の中がより安全になるようにし(高い場所に物を置かない、棚を壁にしっかりと固定するなど)、ガス、電気、水道を安全に止める方法を学ぶことも必要です。

子ども連れで旅行する場合は、子どもに地震が起きた際にどうすればよいかを教え、シミュレーションしてみましょう。

地震が発生したら

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地震は予測不可能で、多くの場合、何の前兆もなく突然発生します。しかし、地震は震源地から約7km/秒の速度で広がるっことがわかっており、これを利用して、地震を早期に警報するシステムが開発されています。地震発生の数秒前に、被災地のテレビ、ラジオ、携帯電話で人々に地震が発生する警報を知らせます。このような早期警報システムは日本では、緊急地震速報として、長年利用されてきました(参照)。その他の地震の多い他の国々でも、政府機関や民間企業が独自のシステムを導入しています。GoogleはAndroid Earthquake Alertを開発しました。スマートフォンに搭載されている加速度計は小型地震計として機能させます。数千台のスマートフォンの揺れのデータを組み合わせることで地震を検知し、他のAndroidが搭載されたデバイスに警報を送信します。

地震発生中は走らないでください。立ち上がったり、歩いたり、走ったりすると、転倒して怪我をする可能性が高いからです。

中規模から大規模の地震は通常1分未満で継続します(ただし、2011年の東日本大震災では6分間続きました)。しかし、被害を引き起こすには十分な時間です。多くの場合、余震が発生します。地震が終わったように見えても油断せず、安全な場所に避難してください。

屋内にいる場合

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アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁ニュージーランド民間防衛危機管理庁は、地震の場合には次のように行動するようアドバイスしています。

  1. 四つん這いになる
  2. 首や頭を手で覆う
  3. 机のしたで待つ

地震が発生した後

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避難

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救助

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関連項目

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